ページトップ
2020.01.27 イベント情報

【レポート】ヤフー様、神戸市様、日本気象協会様ご登壇 スペクティ主催『AI/IT活用 防災・減災セミナー』

2019年11月1日(金)に、大阪「KANDAI Me RISE」(関西大学 梅田キャンパス)にて、第3回目の開催となるSpectee(スペクティ)主催の「AI/IT活用 防災・減災セミナー」をおこない、約150名の方にご参加いただきました。今回はゲストに、ヤフー株式会社様、神戸市様、日本気象協会様をお呼びして、AIやITを活用した各社の取り組みについてお話していただきました。その様子をお届けします。

ヤフー株式会社

ヤフー株式会社からは、堤浩一朗様がご登壇。「ヤフーの防災情報の取り組み」についてお話しいただきました。

Yahoo!天気・災害のコンテンツはいざというときに「備える」こと、そして災害情報を「知らせる」ことを目的に作られています。2019年10月には、スマートフォン向け防災通知アプリ「Yahoo!防災速報」にユーザーからの情報を活用する「災害マップ」機能が追加されました。

堤さん「Yahoo!防災速報のアプリは、自治体からのデータなど公的な情報に関して強みがあり、約1,800万人※の方にご利用いただいているので信頼いただいていると思います。一方で、公的ではない身近な情報に関してはまだ弱みがあると感じています。なぜ身近な情報が大事かというと、災害時に実際に避難した人の話を聞いてみると『みんな避難しているから』というのが多いんです。

公的な情報は大事だけれども避難行動につながらない部分も多い。そこで、ユーザーから情報提供いただいて、それを活かすということに取り組みました。神戸市さんがLINEとおこなわれた取り組みや、スペクティの取り組みにも近いです」。

「災害マップ」機能は、大雨や地震発生時にYahoo!防災速報のアプリから通知が来た際、危険度に応じてユーザーの状態を投稿できるもの。「危険を感じるかどうか」「安全か」というように3段階から選択します。さらに集めた情報を、エリアで区切り、一定数の投稿が集まった場合には近隣地区に通知を送る仕組みで、実際に危険が迫っている情報が届きます。

堤さん「2019年の台風19号で実際に運用したところ、接近しているのがわかりやすいという評価をいただきました。みなさん自身の声でみなさんが助かるというところにつながっていくように、これからブラッシュアップして、災害時に役に立つというところを目指していきたいと思っています」。

※2019年12月末時点

神戸市危機管理室

神戸市からは、神戸市危機管理室 防災体制整備担当課長 小塚満幹様より「ICTなど最先端テクノロジーとデータを活用した神戸市の取り組み」についてお話いただきました。

小塚さん「阪神・淡路大震災では電話や市民の通報でしか対応ができない部分が大きかったです。それから、災害も多発化・激甚化しております。ICTは災害時の情報収集と共有に不可欠であり、災害時の情報をいち早くキャッチして鳥の目でエリア全体を俯瞰して、人的資源を再配置し、市民の安全安心に寄与することが大事だと考えています」。

2019年4月から導入した新・危機管理システムは情報の一元化に寄与しているといいます。

小塚さん「これは、外部から消防情報や水害情報をインターネットから収集し、避難所の情報や物資支援などの情報を一括して管理し、SNSやホームページで配信するという仕組みです。意思決定を早くして、人的支援を最適に配置するという意味では非常に有効なシステムになっていると思います」。

そのほか、スペクティと実証実験を行っているAI機能を活用したSNSからの情報収集、LINEのチャットボット機能付き情報収集や無人航空機ドローンなどを活用して市民からの情報も取り入れることで公の情報を補完し、災害時の全体状況の俯瞰に役立てるためのあらゆる取り組みをおこなっています。

一般財団法人日本気象協会

一般財団法人日本気象協会からは、執行役員 櫻井康博様より「計る・観る・伝える 〜激変時代の気象情報のこれから」というテーマで、時代やニーズに合わせて変化する気象情報のあり方についてお話しいただきました。

日本気象協会では、AIを活用し、限られた観測データから精度の高い情報を出す最新の天気予報や、「豪雨直前予測」の実証実験をおこなっています。

櫻井さん「集中豪雨は予測が困難であることから、自治体の皆さんも避難勧告に苦労されているのではないでしょうか。これをどうにかカバーできないのかということで、最新の3次元のデータを観測することができるフェーズドアレイレーダの活用を進めています。これによって、雨粒になる前の「豪雨の卵」の段階で大雨の予兆を捉えることができる。直前にはなってしまうけれど、今までに比べて精度の高い大雨予想ができるところまで来ています。

そこでおこなったのが「豪雨直前予測」の実証実験なのですが、雨雲の卵の時点で予報を出して、どういうエリアで雨が降るかということをメールで配信しました。今はエリアが限定されていますが、これから5〜10年には観測範囲も広がると考えています」。

予測技術は高度化する一方で、その観測結果を伝える手段も多様化しているそう。これからは個別の状況に合わせて的確に伝えるための手段を考えていかなくてはいけない時代になるのではと締めくくりました。

2019年6月28日に行われた第2回セミナーの様子はこちらからお読みいただけます。