レポート

SNSに見るフィリピンを襲った台風RAI

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2021年12月13日(月)に発生した台風22号(国際名「RAI」)は、最強クラスの「スーパータイフーン」と呼ばれる勢力まで発達。16日午後にフィリピン東部シャルガオ島に上陸し、中部のセブ島やボホール島などを通過しました。上陸直前の最大瞬間風速はJTWC(米軍・合同台風警報センター)の解析によると秒速72メートルを記録しました。

12月20日朝時点で確認されただけでも死者169人・行方不明者50人にのぼり、さらに30万人以上が避難をしたほか、各地で道路やライフラインが寸断されました。フィリピンには小さな島も多く、離島などでは連絡がとれていない場所もあり、全体状況の把握はいまだに容易ではありません。

(出典:Spectee Pro画面より、地図データ©Google)

下記はスペクティが覚知したフィリピンにおける被害の中から、主だったものを地図上にプロットしたものになります。セブ島は人口も多いこともあり、特に多くのSNS投稿がありました。また、風で家の屋根が吹きとばされたり、船が破壊されたりと、人々が生きていくのに必要な資産が破壊されているさまには心が痛みます。また、ネグロス島のカバンカランは特に浸水被害がひどく、道路が川のようになってしまっている様子がわかります。

セブ島ラプ=ラプ 家々の屋根が吹き飛ばされている
セブ島セブシティ ホテルの外壁が剥がれ落ちている
セブ島ソゴド 大切な生活の場である市場も被害に
マニラ首都圏ラス・ピニャス 港で船が座礁するなどの被害
ボホル島カラペ 教会内部が破壊し尽くされている様子
ネグロス島カバンカラン 車のタイヤが隠れるほどの深さの浸水
パナイ島バリオ・オブレロ 電柱が倒れてしまっている
ネグロス島カバンカラン 道がまるで川のようになっている
ドゥマラン島アラセリ まさに屋根が吹きとばされる瞬間
パラワン島 タイタイ 海沿いの家がまるごと流される
パラワン島 デュマラン 屋根が吹きとばされた家屋の様子
レイテ島 アバヨッグ 海沿いの家屋などが被害を受けている
ミンダナオ島スリガオデルノルテ州 空港を含め多くの建物が被害を受けた
セブ島マンダウエ 大規模な停電も発生

同じ災害大国として

フィリピンは雪こそ降りませんが、日本と同様に台風、洪水、地震、火山噴火など多くの自然災害に襲われる「災害大国」で、国連大学が発表しているWorld Risk Reportによると、同国のリスク指標は2018年は世界172ヶ国のなかで3位、2021年には181ヶ国のなかで8位となっています。日本と大きく異なる点は、まだ経済発展が十分に進んでおらず、ハード・ソフトともに対策が不十分で、貧困層の人々が自然災害によって特に大きな打撃を受けてしまう点です。日本政府も国際協力機構(JICA)を通じて様々な援助や災害対応力向上のプロジェクトを提供しており、同じ災害大国として、また比較的に距離が近い国として、特別な関係が構築されています。下記のリストは、2000年以降に進んでいる様々な協力プロジェクトの一覧です。

(出典:ODA見える化サイト)

日本は言わずと知れた災害大国で、一人あたりの災害被害額では世界一です。しかし一方、こうした厳しい自然環境にいるからこその四季折々の海や山の美しさ、様々な美味しい食べ物や素晴らしい文化を享受できていると言え、被害を抑えながら共存していく他ありません。また、日本は高い技術力を誇る国でもあります。この日本で、災害と戦うテクノロジーを開発し、それをグローバル展開することで世界の災害に苦しむ人々を救うことができたら・・・こうした想いのもとスペクティは日々研究開発に取り組んでいます。

(根来 諭)
December 20, 2021

参考情報

World Risks Report 2018 (United Nations University)
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/WorldRiskReport-2018.pdf

World Risks Report 2021 (United Nations University)
https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/2021-world-risk-report.pdf

ODA見える化サイト(国際協力機構)
https://www.jica.go.jp/oda/index.html


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スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認でき、さらに気象情報・交通情報・道路や河川に設置されたカメラ映像などと組み合わせることで、事象をより立体的にとらえることが可能です。

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