2021.02.15
プレスリリース

AI による道路の「路面状態判別技術」の実証実験を新潟県長岡市にて開始/スペクティ、日本気象協会、NCT による共同実験 ~道路の安全や防災対応に~

株式会社 Spectee(本社:東京都千代田区、代表取締役:村上建治郎、以下「スペクティ」)と一般財団法 人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、理事長:長田 太、以下「日本気象協会」)、株式会社エヌ・シィ・ ティ(本社:新潟県長岡市、代表取締役:今泉道雄、以下「NCT」)は、2021 年 2 月に、道路に設置され た NCT のカメラの映像をもとに、AI で道路の路面状態(※1)と階級別視程 (※2)をリアルタイムに判別 する実証実験を行います。将来的にリアルタイムに路面の凍結や積雪の状態、また視程を自動判別する ことで道路の安全や防災に関わる事業者などにご活用いただき、地域住民への注意喚起や交通安全への 貢献を目指します。

■ 実証実験の背景と将来像

新潟県では、毎年のように雪による交通事故や交通渋滞などの道路雪害に見舞われています。最近でも 昨年末から続く豪雪の影響で交通障害が発生し、交通機関に大幅な影響をもたらしました。

スペクティと日本気象協会は 2019 年からカメラ映像に着目し、最新の AI 技術を駆使した冬季の各種防 災情報の取得とリアルタイム提供サービスの開発を共同で実施しています。

この技術をもとに、スペクティと日本気象協会が共同開発した AI による道路の「路面状態判別技術」と 「視程判別技術」を新潟県内で NCT が保有する道路情報カメラに応用し、AI 技術の利活用検討と精度 検証を目的とした実証実験を行います。

これまで、道路の路面状態等については計測機器が設置されている地点の情報しか得られませんでした が、広範囲に設置されたカメラの画像を用いて AI で判定することで、降雪や吹雪による視程や路面状態 の面的な分布が得られるため、より網羅的な実況把握が可能になります。

スペクティと日本気象協会は、本実証実験により詳細な路面状態を AI でリアルタイムに把握することを 可能にし、新潟県のみならず全国に展開して道路管理者や自治体など、道路の安全や防災に関わる事業 者での適切な安全管理、将来的な自動運転技術の推進に役立てていただけることを目指します。


株式会社 Spectee 代表取締役 村上建治郎のコメント

冬場の降雪や凍結、夏場の冠水時などの道路状態の判定は定点に設置された計測器による観測だけでは 限界がありました。また近年の激しい気象変化には、よりリアルタイムなデータをもとに迅速な初動対 応が必要になっており、今回のカメラを使った AI による路面状態の自動判定は、道路の安全管理に必要 な網羅的なデータを取得するのに役立つとともに、自動運転などの MaaS 技術への応用が期待されます。

一般財団法人 日本気象協会 常務理事 事業本部長 辻本浩史のコメント

冬期における道路上の積雪や凍結、吹雪視程の情報は、道路の安全通行や道路管理において重要な情報 です。今回の実証実験では、日本気象協会とスペクティが共同開発した AI による路面状態判別技術と視 程判別技術を積雪寒冷地における雪害の減災や交通障害の予防、また路面凍結やホワイトアウトへの注 意喚起情報に役立てたいと思います。

株式会社エヌ・シィ・ティ 代表取締役 今泉道雄のコメント

NCT は、現在、サービスエリア内 51 ヶ所に道路情報カメラを設置し、コミュニティチャンネル(123ch: 道路情報チャンネル)及びスマートフォンアプリ(NCT コネクト)を通じ、地域の皆様に道路情報を提 供しております。特に冬季の道路情報については、サービスエリア内に長岡市や小千谷市などの特別豪 雪地帯が含まれていることから、日常生活に不可欠なライフライン情報として多くの皆様にご利用いた だいているところです。 今回の実証実験により、凍結・積雪などの路面状態を詳細に把握することで、地域の皆様の更なる安全・ 安心に貢献できる価値ある情報発信につながってゆくことを期待しております。


※1 路面状態とは
道路の路面は降水や降雪の有無や気温によって、乾燥、湿潤、シャーベット、凍結、積雪等の状態に変化 します。この路面状態によって路面とタイヤのすべり摩擦係数が異なります。特に、凍結や積雪ではすべ り摩擦係数が小さくなる(道路がすべりやすくなる)ため、凍結防止剤の散布や除雪作業が必要になりま す。したがって、路面状態を適切かつリアルタイムに把握することは、安全・安心な道路交通を確保する うえで極めて重要な情報です。

※2 階級別視程とは
気象用語で大気の混濁の度合いを示し、水平方向における見通せる距離のことを「視程」といい、見通せ る距離を 50m 未満、100m 未満、200m 未満、300m 未満、300m 以上と分けた視程を「階級別視程」と しました。降雪や吹雪によって視程は悪化し、著しい時には前が全く見えないと感じる「ホワイトアウ ト」が発生することもあり、大きな事故に繋がる恐れがあります。道路上の視程を知ることで、安全・安 心な道路交通の確保に貢献します。


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