防災テックベンチャーの株式会社Spectee（本社：東京都千代田区、代表取締役：村上建治郎、以下「スペクティ」）は、一般財団法人リモート・センシング技術センター（本社：東京都港区、理事長：池田要、以下「RESTEC」）の協力のもと進めている、衛星画像とSNSの投稿画像の解析をかけ合わせた災害監視システムの開発が、内閣府の宇宙開発戦略推進事務局が実施する「令和３年度 課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」（以下「本プロジェクト」）に採択されましたので報告します。
スペクティでは現在、SNSの投稿から数分で水害発生時の浸水範囲を推定し地図上に可視化する技術の開発を進めています。また、冬場には道路の積雪や凍結の状態を自動監視し、自治体や道路管理会社に提供を行っています。
8月14日に佐賀県の六角川で発生した氾濫は、広範囲で浸水・冠水、土砂災害など甚大な被害をもたらしました。今回SNSに8月14日午前10時頃に投稿された1枚の画像をもとに、浸水の推定範囲及び深さ解析し、地図上にシミュレーションしました。（尚、図は本技術に基づいた推定値です。現在、本技術の開発と並行して精度検証を行っています。）
SNSの特徴としてリアルタイム性が高く、災害発生時に即座に被害範囲を予測・可視化ができる利点がある一方で、人の少ない山間部や夜間については、SNSへの投稿が少なく、解析結果に誤差が生じることがあります。この課題を解決するため、山間部や夜間であっても俯瞰した画像データが取得できる衛星画像を活用することで、より正確性の高い災害監視システムの開発を目指します。
本プロジェクトは、衛星画像の提供及び解析について、リモートセンシングの専門家集団であるRESTECの協力のもと進めてまいります。また実証実験のフィールドとして、福井県及び大分県からもデータ提供等の協力をいただく予定です。
スペクティ 村上建治郎 代表取締役CEO コメント
SNSを活用した浸水被害の推定を進めていく中で、SNSからの投稿だけでは正確に水害範囲を特定するのに足りない部分もありました。そこで地球観測衛星からのデータを活用することで、より正確な解析結果を得られると考え、衛星リモートセンシングのプロフェッショナルであるRESTECの協力のもと、衛星画像を活用した「宇宙からの目」とSNSによる「地上からの目」をかけ合わせた、より正確性の高い災害時の被害推定技術を開発することになりました。内閣府のプロジェクトへの採択を足がかりに、両社で新たな防災技術の開発を進めてまいります。
RESTEC 研究開発部 社会インフラグループ グループリーダー 古田竜一 コメント
この度の実証でスペクティとRESTECが培ってきた災害時情報抽出・配信技術の相互課題をお互いの技術を融合することで解決し、利便性の高い情報を顧客に配信できるようになることを期待しています。衛星画像側としては、スペクティの情報を利用することで、観測箇所決定の効率化、RESTECが有する衛星画像による被害抽出解析技術を大幅に効率化・高度化できると確信しており、災害情報のリアルタイム性や信頼性の向上が期待できます。
■ 一般財団法人リモート・センシング技術センター（RESTEC）について RESTECは、1975年の設立以来、日本のリモートセンシング事業を牽引する中核機関として衛星データの受信・処理、解析に至るまでの一貫したリモートセンシング技術の総合的研究開発と、それを利用した社会課題解決に取り組んできました。宇宙利用技術の進展が目覚ましい現在では、防災・環境保全・農業利用など様々な分野で利用者が必要とする地球観測情報等を抽出し、ソリューションとしてご提供しています。 RESTECは、リモートセンシング技術により産業基盤を強化し、を社会インフラとして定着させることを目指します。
ホームページ：https://www.restec.or.jp/■ 株式会社Spectee（スペクティ）について スペクティは、SNSからの災害・リスク情報の解析で国内トップシェアを誇るの防災・危機管理ソリューション『Spectee Pro』を通じて災害関連情報をリアルタイムに配信する他、河川や道路カメラから、衛星データなどを活用したAIによる被害のシミュレーションや予測を行っており、多くの自治体や企業で、防災やBCP、交通や物流の安全やサプライチェーンのリスク管理などを目的に導入が進んでいます。 「危機を可視化する」をスローガンに、災害対応をデジタル化し、すべての人が安全で豊かな生活を送れる社会の創造を目指しています。
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