防災テックスタートアップの株式会社Spectee(本社:東京都千代田区、代表取締役:村上建治郎、以下「Spectee」)は、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(所在地:東京都港区、社長:大瀧 清、以下「パナソニック」)が実施する2023年度のアクセラレータープログラムを通し、家などに設置される電気設備のデータを活用した避難状況の把握に関する実証実験を、2023年11月から2024年3月までの期間において、共同で実施しました。
本実証実験で得られた成果をもとに、Specteeではスマートメーターや家電などの「家データ」を活用した取り組みを進めていきます。
■実証実験の背景と目的
能登半島地震では倒壊家屋に住民が残っているのか否かをリアルタイムに把握する術がなく、住民の救出に時間を要するとの課題がありました。地震や気象災害などにおいて、適切な対応を行うためには、災害発生時の住民の在・不在の把握や避難指示の発令地域における住民の避難状況の可視化など、地域住民の状況を的確に知ることが重要です。現在、多くの自治体ではこれらの情報を効率的かつ効果的に把握する手段を模索しています。
本実証実験は、災害発生時の住民の在・不在の把握の課題を解決するため、パナソニックの持つさまざまな電気設備や家電データをもとに、在・不在状況をリアルタイムかつ的確に把握するシステムの開発を目指すものです。
■実証実験の内容
住宅の電力使用量データを取得し、そのデータを元にAIで解析を行い、在宅か不在かを判定するシステムを構築しました。また、実際の在・不在の記録と照らし合わせて精度を検証しました。
■実証結果
電力使用量をもとにした在・不在のAI判定は一定の精度で可能であることがわかりました。また、今後は電力使用量だけではなく、家電やIoTなどの「家データ」を活用することで、より精度の高いシステムが構築可能であると考えています。
■ Spectee代表:村上建治郎のコメント
災害発生時に在・不在を迅速に把握することは、災害対応にとって重要な要素であり、ニーズもあると考えています。そういった中で、今回のような在・不在の状況を広範囲に把握するための家電や住宅機器などから取得できるデータは、災害対応に有効なデータとして活用していきたいと思っています。
現在、全国的にスマートシティ構想の実現に向けて、住宅や街全体のスマート化が進められています。その際に、「家データ」を活用した防災対応は大きな可能性をもっており、今回の実証実験にとどまらず、今後もさまざまな検証を続けていきたいと考えています。
■アクセラレータープログラムについて
パナソニックは、優れた先進技術やノウハウを有するスタートアップと共創し、新規事業を加速させる取り組みの一環として、ReGACY Innovation Group株式会社と共同でアクセラレータープログラム「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」を開催。Specteeは2023年度、80社以上のスタートアップ企業のうち、11社の採択企業として選ばれました。
公式サイト:https://panasonic.regacy-innovation.com/
■ 株式会社Spectee(スペクティ)について
「”危機”を可視化する」をミッションに、SNSや気象データ、カーナビ情報や道路カメラなどのさまざまなデータから災害やリスク情報を解析し、被害状況の可視化や予測を行っています。
AIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』は、SNSや気象情報、自動車のプローブデータ、ライブカメラなどを解析し、世界で発生する災害や危機を、迅速に収集、可視化、予測することができ、災害対応や危機管理、物流やサプライチェーンのリスク管理などを目的に、官公庁、自治体、報道機関、交通機関、通信会社、メーカー、物流、商社などに導入いただいています。
また、2023年11月には製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービス『Spectee Supply Chain Resilience』の提供を開始しました。製造業などのサプライチェーンを見える化するとともに、SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報など様々なデータをリアルタイムに解析し、サプライヤー周辺で起こる危機を瞬時に覚知し、サプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。
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