「5分でわかるサプライチェーン・リスクマネジメントに取り組むべき理由」解説セミナー【2025年9月22日開催】

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防災・危機管理に関するソリューションを提供するスペクティでは、毎月様々なトピックを取り上げてWebセミナーを開催しています。2025年9月22日には「5分でわかるサプライチェーン・リスクマネジメントに取り組むべき理由」解説セミナーと題した内容でオンラインセミナーを行いました。

近年のサプライチェーンは、自然災害や地政学リスクなどにさらされ、モノやサービスの供給が阻害される事象が頻発しております。これに対し、何らかの対策を取らなければならないという課題意識を持ちつつも、何から手を付ければいいのかわからないというお声を沢山お聞きします。そのため、課題に取り組むための入門編として、「5分でわかるサプライチェーン・リスクマネジメントに取り組むべき理由」というお役立ち資料を発行させていただきました(ダウンロードはこちら。本セミナーではこのお役立ち資料をもとに、もう少し掘り下げてサプライチェーン・リスクマネジメントについて解説いたしました。本レポートでは、内容を一部抜粋してご紹介します。

なぜ今サプライチェーン・リスクマネジメントが求められるのか

なぜいまサプライチェーンを巡るリスクが取りざたされているのでしょうか。それは危機の時代に突入し、サプライチェーンが止まるリスクがかつてなく高まっているからです。近年発生している主な事例を挙げるだけでも多岐に渡り、地震や洪水といった自然災害やパンデミック、戦争・紛争・クーデターの発生といった地政学リスク、そして最近特に深刻な事例が相次ぐサイバー攻撃などがあります。

サプライチェーンは産業革命以後、大量生産時代から海運の発達、高度経済成長と市場の成熟と時代が進むなかで大きく発展してきました。但し、その発展において重視されたのは「効率」、もっと言えば「如何に安く作って運ぶか」という「コストダウン」を主眼として発達してきたわけです。しかし前述したように現在は災害が多発化・激甚化し、地政学リスクもかつてなく高まっている「危機の時代」に突入しています。近年我々が経験した大きな危機が東日本大震災でした。それを契機に判明したのは、我々の構築してきたサプライチェーンが非常に複雑化しているという事実です。そのため、何かサプライチェーンを阻害する事象が起きた際に、その事象を迅速に覚知すること、及びどこまで影響が及ぶのかを把握するが非常に難しくなってしまっているのです。いまこそ我々は「効率性」だけではなく、「強靭性」にも重きをおいてサプライチェーン・マネジメントを進めていかなければなりません。これが「今サプライチェーン・リスクマネジメントに取り組むべき」背景です。

サプライチェーン・リスクマネジメントをどう強化すればいいのか

それでは、どのようにサプライチェーンを強靭化すればいいのでしょうか。強靭なサプライチェーンとは、止まらない、そして止まったとしてもしなやかに復旧することができるサプライチェーンのことを指します。強靭化を行っていくには下記のようなステップを踏む必要があります。

❶サプライチェーン構成要素の可視化
まずは自社のサプライチェーンがどのように構成されているかを可視化することが必要です。では、サプライヤーのどの階層まで可視化すればいいのでしょうか?サプライチェーンのどこで阻害事象が発生したのかについて2022年に行われた調査によると、3・4次取引先や5・6次取引先などで発生したケースが非常に多く、直接やりとりをしている1次取引先やその先の2次取引先までを把握することでは不十分でであると言えます。また、サプライヤーの拠点だけではなく、港湾や物流拠点などサプライチェーンの結節点となるポイントも押さえておくことが重要です。

❷リスク分析と脆弱性の特定
可視化したサプライチェーンのどこにリスク・脆弱性がひそむのかを分析するステップです。広大で複雑なサプライチェーンすべてに強化策を実行することは現実的ではありません。拠点ごと、サプライヤーごとに評価をして、どの部分が特に脆弱で対策を講じなければいけないのかを炙り出し、「リスク低減」「リスク回避」といったアクションをとります。

❸強化策の実行
強化策のオプションは多岐に渡りますが、BCP(事業継続計画)をサプライチェーン全体を意識して構築しなおすことや、サプライヤーマネジメントの強化、在庫を分厚くもつことや調達先を複線化するなどのサプライチェーン冗長化、リスク監視体制の強化といった打ち手で強靭性を高めることが必要です。

❹リスクのモニタリング
サプライチェーンを阻害するリスク事象の発生を迅速に把握し、かつ自社への影響を把握することは簡単なことではありません。しかし、少しでも早く覚知をしアクションをとることで、生産ラインの停止を回避できたり、代替生産や輸送の手配にいち早く取り掛かることができたり、少なくとも納入先に対していち早く情報提供をすることで信頼の維持・向上につなげることができます。リスクモニタリングの強化も非常に重要なステップです。


危機の時代には、「常に顧客にモノを確実に届けられる」ことが大きな意味をもち、その企業の価値向上につながります。これまでになくサプライチェーン・リスクマネジメントの重要性が増す今、貴社の企業価値向上のお手伝いをさせていただけると幸いです。

(要約:根来 諭)
Nov 12, 2025


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