サプライヤー管理から取り組むサプライチェーン強靭化~調達力強化・リスク管理の最新事例~【2023年8月29日開催】
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毎月様々なトピックをお届けしているスペクティのWebセミナーですが、8月29日には『サプライヤー管理から取り組むサプライチェーン強靭化~調達力強化・リスク管理の最新事例~』というテーマで開催いたしました。共催は、6月にもセミナーをご一緒させていただき、好評いただいたLeaner Technologies。調達・購買部⾨向けのクラウドサービスで急成長中のスタートアップです。Leanerからは取締役COOの田中英地氏、スペクティからは代表取締役の村上が登壇し、それぞれのプレゼンテーションのあとにトークセッションを行いました。このレポートではその内容を抜粋してお伝えいたします。
◆Spectee◆
スペクティは東日本大震災を契機に設立された会社で、AIリアルタイム危機管理ソリューション「Spectee Pro」というサービスを提供しています。Spectee ProはSNSを始めとして様々なソースから危機に関する情報(例えば自然災害や事件・事故)を収集・解析し、「今何がどこで起きているのか」を可視化するソリューションで、多くの民間企業、官公庁・地方自治体、報道機関に採用されています。
現在、気候変動の影響で異常気象が相次いでおり、2022年の世界の自然災害による経済損失は日本円で約40兆円にものぼります。現に今回のセミナーのテーマにもなっているサプライチェーンが災害によってダメージを受けて、生産が遅れてしまったり、物流網が寸断されてしまったりという事象が増えています。民間企業の間では、そうしたサプライチェーン阻害事象を迅速に覚知するためにSpectee Proが活用されるケースが急増しています。
Spectee Proでは国内に限らず、海外のリスク情報(災害、大規模事故、テロやクーデーターなど)もとれるため、グローバルにサプライチェーンが伸びている製造事業者においても、危機事象に対してプロアクティブに対応を取るために活用していただいています。いち早く知ることで、代替生産先を探したり、既存在庫からの供給を確保したり、復旧の支援をしたりするといったアクションを即座に打つことができるようになります。
◆Leaner◆
Leanerは調達DXを進めるクラウドサービスを開発・提供している企業で、累計で4,000社超のお客様に導入されています。
SRM(サプライヤー・リレーションシップ・マネージメント)とは、サプライヤーとの協働を起点としてビジネス価値の創出につなげる取り組みですが、多くの企業ではスキルの不足や部門間の協調不足などによって、多くの企業では活用が進んでいません。SRMを通じて実現できることは、Value Creation/Quality、Cost Management、Delivery Management、Risk Managementと多岐に渡りますが、特にLeanerが貢献できる点として下記のような例が挙げられます。
『Leaner見積』は、ユーザー企業の調達部門と要求部門(設計/開発など)を連携させたうえで、サプライヤーや社内他部門とのやりとりを一元管理できるものです。我々は、代表的なプロダクトの開発への投資を積極的に進めており、機能改善を早いスピードで実現しています。Leanerは製造業を中心として幅広い企業様にご利用いただいていますが、以下にいくつかの個社事例についてごご紹介したいと思います。
Leanerの導入は、反対側のサプライヤー目線においてもDXを実現するものと言えます。サプライヤーのアカウント登録率は99%で、メリットとしてはメールによる見積回答では埋もれてしまったり、見落としがあったりしたところ、タスク管理が容易になって業務品質が向上することや、担当が変更になった場合でもこれまでの履歴の引継ぎが可能で、持続的に顧客と信頼構築ができるといった点が挙げられます。バイヤー側とサプライヤー側の双方でDXが実現できます。
◆トークセッション◆
Q.お客様は色々な課題を抱えていると思うが、それぞれのサービスの導入を検討するきっかけはどのようなものがありますか?
Leaner田中)
会社によってまちまちですが、インシデントの発生がきっかけとなることが多いです。調達の代替先が見つからなくて困った、であるとか、ベテラン社員が退職してしまってナレッジが抜けてしまったなど。また、まだ問題は発生していないけれども、そうした事態を未然に防ぎたいというケースもあります。総じて、現在調達・購買を改革したいという機運は高まっていると感じています。
Spectee村上)
スペクティの場合は、どうしても何らかのインシデントが起きてはじめて導入を考えるというケースが多いと思います。例えばいまトヨタ自動車で発生したシステム障害がニュースになっていますが、「こういった事象の発生をすぐに知ることができれば、いち早く動くことができるよね」ということで、問い合わせが増えることもあります。昨今ではBCPの意識の高まりや自然災害多く発生していることから、リスクに対する意識自体が高まっていると感じています。
Q.競合する企業はありますか?レジリアとのスペクティの違いは何でしょうか?
Spectee村上)
レジリアのシステムで見られるリスク情報は、スペクティから提供しています。リスク情報は基本的に一緒で、競合というよりかは協業関係にあります。ただプロダクトのコンセプトは異なっており、レジリアはサプライヤー管理をもとにしてそこにリスクに紐づける形ですが、スペクティはもっと多角的にリスクが見えるようになっていたり、予測する機能があったりします。
Q.災害発生時は物流を軸としたサプライチェーンデータ管理になりますが、見積では商流を軸としたものになります。これらの要素の違いにうまく対処できるのでしょうか?
Spectee村上)
スペクティは基本的に災害が発生した際に、サプライヤーやその途中の物流網に対するリスクや被害を見える化するためのソリューションになります。
Leaner田中)
リーナーはやはり「ものを買う」ということを起点に管理しており、商流を軸としています。サプライヤーの情報をストックして、それを活用してサプライヤー選定をやる形ですが、スペクティさんが持っているようなリアルタイムのリスク情報がそこに加わってくると、より精度高く選べるだろうなと考えています。
Spectee村上)
前回セミナーをやった際も「協業したらどうですか?」という声をいただきましたが、スペクティとLeanerの親和性は高いと思うので、協業やデータ連携といったことも進めていけたらと思います。
Q.2024年問題への対応はどうなりますか?
Spectee村上)
時間外労働の規制が入るために運送業の人手が不足する一方で、物流の総量は増えており、物流会社において課題意識が強くなっています。スペクティの視点で言うと、何か物流をストップさせてしまうような事象の発生を早く覚知したり、未然に防いだりすることで、より確実に物を運ぶことができる、というところに力を入れたいと思っています。
Leaner田中)
2024年問題は、輸送キャパシティが足りなくてサプライチェーンに支障をきたすものだと言えます。ひとつの対応として、自社の輸送キャパシティを増やすために別の運送会社を選択肢として持っておくということが挙げられます。ロジスティクス周りにおける代替サプライヤーを増やす・強化するというアプローチです。
Q.他のサービスと比べてLeanerの強みは
Leaner田中)
1年間で約150件の機能改善を実現しており、開発のスピードが非常に速いということがあります。また、購買というものは、調達とサプライヤーだけではなく、開発・設計・営業といった様々な社内の関係部署も含めて成り立つものだと思いますが、それら多くの方を含めてコミュニケーションすることを前提としてプロダクト設計がなされている点、そして結果としてシンプルなUI/UXになっており使いやすい点だと思います。
(要約:根来 諭)
September 27, 2023
信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!
スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。
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