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福井県

「災害発生時に、ビジュアルデータで現場の状況を迅速に把握」

『Spectee Pro』を導入したきっかけ

2018年2月の豪雪で、現場の情報を入手するのに時間を要した

県内で災害が発生し、県庁として対策の必要があるときに、被害があるかどうかの把握もすごく重要なんですが、今どうなっているかという状況をまず知らないと判断ができません。これまで現場の状況確認は、県庁から職員が現場へ行って写真や映像を撮って、それをメールで送るという方法を取っていました。これでは時間がかかってしまっていて、そもそも現場に行っているのでは間に合わない。一般の方からの情報を入手するにはやはりSNSが一番早いのではないかと考えていたときに『Spectee Pro』のことを知りました。速報性が高く、AIの解析によって数ある投稿から無駄を排除して情報を得られるということで、われわれ行政にとってもありがたいサービスだなというところで導入に至りました。

2018年2月に福井県を中心に北陸では大雪となり、福井市では140cmを超える積雪を観測。その際に、福井県の交通の要である国道8号で、最大1,500台程度の車がスタックし、雪の中で長期間の渋滞を起こしたのですが、その情報を入手するのに時間を要したことは導入のきっかけの一つとなりました。

『Spectee Pro』の利用シーン

絞り込みやメール配信で、近隣県も含めて情報を収集

現在は、防災担当部署と土木部署で利用しています。危機対策・防災課では福井県と石川県、富山県、滋賀県など近隣県で絞り込んで『Spectee Pro』のホーム画面をテレビに常時表示しています。他県で起きた事象も福井県に影響がある可能性があるためです。

土木部では、災害対応を担当する部署が複数にまたがっており、1つのモニター上で情報を確認することは難しいため、今は主にメール配信を合わせて利用しています。実は、導入したときはメール配信が必要かどうか懐疑的なところがあったのですが、使ってみるとこれが大変便利で。メールで入ってきた情報を自動的にチャットツールに展開して、誰がどう対応したかまで含めて確認できるようにして活用しています。

『Spectee Pro』を導入してみて

ビジュアルデータを迅速に入手できるので、現場に行く頻度が減った

現時点では導入してからは大きな災害は発生していないのですが、2019年6月に永平寺町で工場火災があった際、『Spectee Pro』に火災現場の写真が配信されていて、幹部職員への報告や職員間での情報共有がスムーズにおこなわれました。

発生の第一報が早いのが何よりも効果的だなと思っていまして、火事などがあったときには通常は最初に消防から連絡があるのですが、ある程度時間がたってから報告がある場合もあります。それが『Spectee Pro』を使うことで、自分たちでいち早く覚知できて現場の状況がわかる。そこからすぐに情報収集する体制に移れるというのはすごく効果的だなと思います。

災害発生時にはまずは被害状況がどうなっているのかという情報が必要になるので、現場の様子がわかる写真や映像があるのとないのではかなり大きな差になっています。
また、地図表示機能も、紙の地図を開く手間が省けるようになったので助かっています。第一報は口頭で場所を聞くことが多く、土地勘がないと住宅地図のどこかを探すのにも時間がかかるため、だいたいの場所をひと目で確認できるのはありがたいです。

道路管理者が異なる道路情報をすばやくキャッチ

地方では自動車利用率も高いので、大規模な交通事故や土砂崩れ、浸水といった道路の障害情報が『Spectee Pro』で確認できるため、県道の管理者としての対応を素早く行うことができると感じています。

なので、メールの通知も、福井県に加えて、石川県や隣県の情報も届くようにしていただいてます。たとえば福井県を通る国道8号の付近で火災や大規模の事故が発生したときに、一部が止まってしまうと福井県まで影響があることもあるので、主要な幹線道路などの状況確認に使っています。実際に、北陸自動車道において大規模な交通事故が発生し、通行止めになったという情報を『Spectee Pro』で覚知したということがありました。

また、2018年2月豪雪の際には、NEXCO中日本、国土交通省、福井県で通行規制等の情報共有に苦労したので、ほかの道路管理者の道路で発生した事故などの情報収集に役立てています。

今後の展望

県民のSNS利用率の低さが課題。クローズドな情報の収集も視野に

北陸ではスマホユーザが全国平均と比べて少ないという事情もあるんですけれども、県民性もあってか、なかなかTwitterなどをオープンに使っているひとは少ないんです。

そこでやはりクローズドのコミュニケーションサービスからの情報も扱えると良いなという思いもあります。

ただ、一方で被害情報がたくさん来るだけでは職員の数も当然限られているので処理しきれない。そういう部分でたとえばスペクティの技術を生かしてフィルタリングされた情報を受け取れると、精度も高く、かつ情報量も今よりも福井県の場合ぐっと上がると思います。一般の方からもより身近な情報をより気軽に送ってもらえるのではないかと思うのでそういったところもできると良いかなと思っています。

現在、福井県では災害情報システムを再構築しているところで、それと連携して『Spectee Pro』の情報も取り込み一目でわかるようなのができると、より迅速に災害対応にあたれると考えています。

※2020年9月1日掲載

資料ではSpectee Proの特徴や仕組みの他、料金表をまとめております

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