2019.02.05
プレスリリース

日本気象協会とスペクティ、映像の「AI解析」による道路管理支援技術を共同開発

一般財団法人 日本気象協会(東京都豊島区、会長:石川裕己、以下「日本気象協会」)と株式会社Spectee(東京都新宿区、代表取締役社長:村上建治郎、以下「スペクティ」)は、SNSや天気カメラなどの映像のAI解析を通じ、防災情報のリアルタイム提供に関する共同開発を行います。

映像のAI解析を通じ得られた防災情報は、道路管理者や自治体など、防災支援情報を欲する事業体へ提供していきます。

冬期の道路や、生活に影響の大きい事象の判別をするための量的情報はこれまで、人の目の判断に頼らざるを得なかったり、高額な計測機器が必要だったりしていました。今回の共同開発を通じ両社は、映像からのAI解析による「雨雪判別」「積雪状態」「路面状態」「吹雪発生」「視程」などの情報を取得する技術を開発していきます。

〔共同開発の背景〕
近年に多発する異常気象は私たちの生活を脅かし、社会経済に与える影響は年々大きくなっています。特に、最近では冬期の豪雪や吹雪による雪害や大規模なスタックが発生したり、普段は雪の降らない地域でも「平成26年関東甲信豪雪」のような豪雪災害に見舞われたり、毎年のように雪害が発生しています。

雪害に関わる事象の判別や計測は様々であり、単なる「雨雪判別」に限らず「降雪の強さ」や「積雪の深さ」も重要です。道路交通に目を向ければ、降雪現象だけでなく「路面状態」の判別が極めて重要になります。さらに、自動運転の将来的な実運用が始まることを考えると、道路の雪氷管理の重要性が増し、「路面状態」の詳細な把握が欠かせなくなると考えます。

一方、北海道のように特に寒冷な地域では、ホワイトアウトに伴う吹雪災害や多重衝突事故がたびたび発生し、「地吹雪の発生」や「視程」といった情報が不可欠です。また、札幌市のような寒冷地の都市部では、雪道での転倒事故による救急搬送が年々増加していることから、「歩道の滑りやすさ」といった情報も必要です。
こうした冬季の防災情報に対する計測機器は高額であったり、技術的に開発途上であったりして、これまで人の目に頼る部分が多いのが実情です。その一方で、道路管理者などによる監視カメラやライブカメラの設置が進んでいます。

そこで、日本気象協会とスペクティはこうしたカメラ映像に着目し、最新のAI技術を駆使した冬季の各種防災情報の取得とリアルタイム提供サービスの開発に着手します。

〔共同開発の概要〕
共同開発では、まず冬季の防災情報に着目し、以下の事象へのAI技術による映像解析技術の開発を行います。
・雨雪判別(雨が降っているのか、雪が降っているのか)
・降雪の強さ(降雪量)
・積雪の深さ
・道路の路面状態(乾燥、湿潤、シャーベット、凍結、積雪などの判別)
・地吹雪の発生判別(ホワイトアウトの発生)
・降雪、吹雪、地吹雪に伴う視程(ホワイトアウトの程度)
・歩道の滑りやすさ

AI技術による映像からの事象判別または計測が確立されれば、リアルタイムでの防災情報の提供に限らず、実況値のデータ量が飛躍的に増大します。さまざまな実況地を多数取得・蓄積することで、予測技術の開発も進むことが期待できます。
日本気象協会とスペクティはこの技術開発を通じて、道路管理者や自治体などへの防災支援情報の高度化を目指します。

【一般財団法人 日本気象協会の概要】
会社名 : 一般財団法人 日本気象協会
所在地 : 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 55階
設立 : 1950年5月
代表者 : 会長 石川裕己
事業内容 : 民間気象会社のパイオニアとして、気象情報の提供および防災や環境に関わるコンサルティングを
実施し、快適な日常生活や安全確保の支援、産業活動の発展や環境保全に貢献。
URL : https://www.jwa.or.jp

【株式会社Specteeの概要】
会社名 :株式会社Spectee
所在地 :東京都新宿区荒木町 5-4
設立 :2011年11月
代表者 :代表取締役 村上建治郎
事業内容:全国200社以上、世界40か国以上にツイッターやインスタグラムなど複数のSNSから災害・事件・事故といった緊急性の高い情報をいち早く伝えるサービス「Spectee(スペクティ)」を展開、またAIを活用した画像解析や音声サービスなど、様々AI開発に取り組んでいます。
URL : https://spectee.co.jp/

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