2024.05.29
プレスリリース

Spectee、水害発生時にサプライチェーンへの影響をリアルタイムに推定する新機能を『Spectee SCR』に追加~4割超が風水害によりサプライチェーンが阻害されたと回答するなか、被害抑制を可能に~

  防災テックスタートアップの株式会社Spectee(東京都千代田区、代表取締役:村上建治郎、以下「Spectee」)は、製造業のサプライチェーン・リスク管理向けのサービス『Spectee Supply Chain Resilience』(以下「Spectee SCR」)に、水害発生時にSNSに投稿された画像などからリアルタイムに浸水の影響範囲を地図上に表示する新機能を追加し、2024年5月29日(水)から提供を開始いたします。

 

■風水害におけるサプライチェーンの影響

 近年、線状降水帯の発生や台風など、事業活動へ影響を与える「風水害」が懸念されています。2018年の西日本豪雨や2019年の台風19号では、工場の稼働停止や交通の寸断などが発生し、サプライチェーンに大きな混乱が生じました。Specteeが2024年3月に製造業の経営層とサプライチェーンに関わる業務担当者に実施した調査でも、42.5%の人が過去に風水害によりサプライチェーンが阻害されたと回答(※1)しており、風水害に対する企業のリスクマネジメントが求められています。

 一方で、水害は突発的な地震とは異なり、「進行型」の災害であるため、事前に自社のリスクの高まりを覚知し、準備する猶予があることが特徴です。そこで、Specteeでは、強みである「SNS情報の収集」と「AI解析」を活かし、2021年、水害のリスクを可視化する「リアルタイム浸水推定」を開発しました。

 

■「リアルタイム浸水推定」とは

 SNSに投稿された画像から浸水した場所や浸水の深さを割り出し、降水量、地形データ等と組み合わせて統合的に解析することで、氾濫発生からリアルタイムに浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示するものです。なお、当機能は特許出願中です。

 Specteeが提供するAIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』では、2022年から機能実装され、既に多くの自治体や民間企業で活用いただいており、昨年までに300地点以上の浸水推定情報を提供しています。また、実地調査を含めた自治体との共同検証(※2)や、衛星データと組み合わせて被災時の街の浸水状況を3Dで再現する取り組み(※3)なども進めています。

 

■『Spectee SCR』での活用方法

 本機能を活用することで、あらかじめ登録した拠点が浸水被害の可能性のある範囲に該当しているかどうかを即座に確認することができ、被害を受けた拠点の情報や取り扱っている製品・部品についても迅速に確認することが可能になります。

 これにより、納期への影響など被害情報をすばやく取りまとめて事業影響レベルを見極め、初動対応の意思決定を迅速化します。

 

■Spectee 代表取締役CEO 村上 建治郎 コメント

 災害発生時に自社のサプライチェーンへの影響をできるだけ早く把握することは事業継続の実現にとても重要です。サプライチェーン・リスク管理サービスの「Spectee SCR」に、防災・危機管理で実績のある「リアルタイム浸水推定」機能を追加したことで、お客様は水害が発生した際にサプライヤーへの影響を瞬時に把握できるようになります。

 近年、サプライチェーンの強靭化は多くの製造業にとって、喫緊の課題となっています。当社の調査では、特に緊急時に「情報の収集や自社への影響の把握に時間がかかり対応が後手に回った」という回答が多くありました。「Spectee SCR」は迅速に情報収集できるだけでなく、今回の「リアルタイム浸水推定」のように予測推定技術を高め、お客様がプロアクティブなリスク対応をできるように機能を強化していきます。

 

■参考

(※1 Spectee、製造業における「サプライチェーン強靭化」調査 リスク事象の把握とサプライチェーン可視化の課題が浮き彫りに)https://spectee.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/db4340806aa737720a112bc8d8196aa9.pdf

 

(※2 スペクティ、浜松市とAIを活用し水害の被災状況を把握する実証実験を実施)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000016808.html

 

(※3 スペクティとRESTEC、人工衛星とSNS情報から大雨時の浸水状況を3D化し再現)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000016808.html

 

■サプライチェーンの危機を可視化する『Spectee SCR』

 『Spectee Supply Chain Resilience(Spectee SCR)』は、サプライチェーンに影響を与えるあらゆる危機を瞬時に可視化するサプライチェーンリスクマネジメントプラットフォームです。

 SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報などさまざまな情報をもとに、インシデント発生によるサプライヤー周辺で起こる危機をリアルタイムに覚知し、お客様のサプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。

 

■ 主な機能

①全世界のインシデント発生を即時に覚知

 自然災害、事故、地政学リスクなど、世界中で発生するさまざまな危機を、SNS・気象データ・警報・全世界のローカルニュース・港湾や空港等の情報をもとにリアルタイムで覚知し、お客様のサプライチェーンに関わる危機を把握できます。

②マップ&ツリーでサプライヤーのつながりを把握

 各サプライヤーの拠点情報や取り扱う製品・部品について、N次の階層ごとに、つながりをマップやツリー表示などで把握。発生するインシデントと、拠点や製品情報を自動で紐づけてリスクを可視化します。

③サプライヤーの被害や生産への影響を自動分析

 インシデント発生時に自動的にサプライヤーの被害状況を収集。納期への影響など、起こりうるリスクを自動分析。取引先からの報告情報をスピーディに取りまとめて事業影響レベルを見極め、初動対応の意思決定を迅速化します。

『Spectee SCR』サービスサイト(サービス詳細やお問い合わせはこちら)

https://spectee.co.jp/service/specteescr/  

 

■ 株式会社Spectee(スペクティ)について
 「”危機”を可視化する」をミッションに、SNSや気象データ、カーナビ情報や道路カメラなどのさまざまなデータから災害やリスク情報を解析し、被害状況の可視化や予測を行っています。
 AIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』は、SNSや気象情報、自動車のプローブデータ、ライブカメラなどを解析し、世界で発生する災害や危機を、迅速に収集、可視化、予測することができ、災害対応や危機管理、物流やサプライチェーンのリスク管理などを目的に、官公庁、自治体、報道機関、交通機関、通信会社、メーカー、物流、商社などに導入いただいています。
 また、2023年11月には製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービス『Spectee Supply Chain Resilience』の提供を開始しました。製造業などのサプライチェーンを見える化するとともに、SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報など様々なデータをリアルタイムに解析し、サプライヤー周辺で起こる危機を瞬時に覚知し、サプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。

 

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