【Webセミナー】物流リスク管理DXの最前線【2021年10月28日開催】

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スペクティは2021年10月28日、「物流リスク管理DXの最前線」というテーマでオンラインセミナーを開催致しました。物流やサプライチェーンのリスク管理に関心が集まる中、多くの方々にご参加賜り感謝いたします。本レポートでは内容を抜粋してお伝えいたします。


我々スペクティは、AI技術を用いて、SNSへ投稿された情報や気象の情報、プローブデータなどを解析し、「どこで何が起きているのか」をリアルタイムで配信するサービス「Spectee Pro」を提供しており、すでに多くの物流や流通に関する企業様にご利用いただいています。現場で何が起きているのかをリアルタイムに、動画や画像を介してビジュアルで把握できることに価値を見出していただいていますが、今後さらに物流リスク管理を進化させていくにはさらなる取り組みが必要だと考えています。

現在の日本の物流において、大きな課題のひとつが、雪害に対する対応です。

上記ニュースは、2020年12月に発生した関越自動車での立ち往生です。約2,100台の車が47時間に渡って立ち往生し、交通が完全に麻痺し、ドライバーの方々も危険にさらされました。

さらにそれから1か月も経たない2021年1月中旬にも、大雪によるスタックで交通の麻痺が発生しました。毎年のように、北陸地方・東北地方・北海道では大雪に見舞われ、物流が何日も止まってしまうようなケースが頻発しているのが現状です。

この、2021年1月の降雪被害の状況を少し掘り下げてみましょう。アメダスの観測値によると積雪は2mを超え、3mに達するところも多くありました。この結果、鉄道は13事業者34路線が運転を見合わせ、秋田・新潟・福井・富山の4県で多くの地方自治体が災害救助法の適用を受けることになりました。

この際、福井県の北陸自動車道と、それと平行して走る国道8号線では大規模なスタックが発生しました。約1,600台の車が立ち往生し、1月9日から1月12日にかけて多くの区間が通行止めとなりました。

この立ち往生が発生した際の積雪の状況を表したものが下記のグラフです。棒グラフが降雪量、折れ線グラフが積雪の深さを表しています。これを見てみると、1月7日の午後から雪が降り始め、1月8日の朝に降雪のピークがあり、その後勢いが弱まったものの、1月9日の昼ごろに2度目のピークを迎えました。

ここに、スペクティで覚知したSNSの投稿(1月7日から11日の、大雪による道路被害関連のもののみ抽出)を重ねてみます。1月7日の降り始めから投稿が増え始め、降雪量が増えるのと同調して投稿が増えているのがわかります。しかし、降雪量の増加に対して、少し遅れて投稿量が増加していることもわかります。

この際の自治体の対応ですが、自衛隊に派遣要請した1月10日の未明は既に2度目のピークを迎えてからかなりの時間が経過しており、もう少し早く初動を起こせれば被害の規模は変わっていたかもしれません。通行止めや自衛隊の派遣要請などは簡単な意思決定ではなく、地方自治体の皆様も葛藤しながらの運用ではあると思いますので、その意思決定の基礎となる「現場の状況把握」を迅速に行えるようにできなければなりません。

このような前提を踏まえ、スペクティでは「AIによる画像解析を活用したスタック検知」の開発を進めています。

路面の状況を把握するのに、職員が現地に足を運んで確認するのでは遅く、また職員自身にも危険が及びます。そこで路面に設置されたカメラでとらえた画像から、道路が凍結しているのか、乾いているのか、積雪しているのかを自動で判定しようとするものです。例えば福井県だけでも約160台の道路カメラが設置されていますが、その全てを人間の目で確認することは不可能です。しかしAIの目であれば、24時間全てのカメラを監視し続けることが可能になります。

既にいくつかの自治体で実証実験を重ねているもので、精度は年々高まってきており、なるべく早く実運用に落とし込みたいと考えております。

迅速に現場の状況変化を察知することができれば、除雪車を出す、融雪剤を撒く、または道路を通行止めにするなどの意思決定が素早く的確に行え、立ち往生の発生を抑えることができるようになることが期待されます。

スペクティでは本件だけに限らず、自動車のプローブデータや気象データ、河川カメラの映像など様々な情報を掛け合わせることによってリスクの可視化や予測を行う取り組みを数多く前に進めております。これらの技術開発が実を結び、多くの人を危機から守れるようになるよう努力を続けてまいります。

(根来 諭)
December 1, 2021


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(リアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』)

 

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