【Webセミナー】ビッグデータで読み解くコロナ禍の変化【2021年6月24日開催】

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スペクティは昨年11月25日、住宅地図メーカー最大手ゼンリンの持つ地図データ/位置情報データを使ったサービスを展開するゼンリンデータコム様とセミナーを共催させていただき、大変にご好評いただきました。それを受けて6月24日、第2弾という形で、「ビッグデータで読み解くコロナ禍の変化」というテーマのオンラインセミナーをお届けしました。沢山のご視聴、ありがとうございました。

本レポートでは、「GPS位置情報から読み解くライフスタイルの変化~新型コロナウィルスの感染拡大は人の行動にどのような影響を与えたのか?~」というタイトルでお話しいただいたゼンリンデータコム様のパートについて、抜粋版をご紹介したいと思います。


株式会社ゼンリンデータコムは、ゼンリングループの中で地図・情報サービスを提供する役割を担っており、モバイル地図サービス、ナビゲーションサービス、IoT事業などを展開していますが、今回は携帯GPSの位置情報を解析してまとめた人流データ「混雑統計®」を使い、コロナ禍において人々の行動がどのように変化したのか、様々な切り口で分析しました。

ゼンリンデータコム 混雑統計®とは
https://www.zenrin-datacom.net/business/congestion/

まず前提として、人の行動を分析する際に、「どのように人をカウントするか」を決定しなければなりません。方法としては、①人々の行動の「点」を数えるというやり方があります。これは人流データをとる場合に主流となる方法です。一方で、②人々の行動の「線」を数えるという方法があります。これは、人の移動した数や外出した数をカウントするというものです。


1.コロナ禍での比較:点で数える「滞在数」

まず最初にご紹介するのは、人々の滞在数を比較したものです。新宿エリア・渋谷エリア・銀座エリアにおいて、15分以上の滞在を点としてカウントし、第1回目緊急事態宣言下の2020年6月のデータを、前年同月の2019年6年のデータと比較しました。

平日は33.3%減と大幅に減少しましたが、休日はさらに大きく57.5%減となりました。このギャップは、平日は仕事の都合上、外出自粛が難しい方もいらっしゃることが要因と考えられます。

エリア別に見てみるとこうなります。

下記は、市区町村別にプロットしたものです。渋谷区・目黒区・世田谷区・杉並区などレンジが変わっていない区もありますが、全体としては人出が減っていることがわかります。


2.コロナ禍での比較:線で数える「日常行動」

次は、線を数えて外出率を算出したものです。対象エリアは八王子(東京都)・武蔵小杉(神奈川県)・市川市(千葉県)で、第1回緊急事態宣言下の2020年4月5月を前年と、また第2回緊急事態宣言下の2021年1月2月を前年と比較しました。外出率は、「エリア内での外出発生人数」を「エリア内の居住人数」で割って算出しています。

まず、第1回緊急事態宣言においての調査です。我々の体感とは異なり、いずれの地域も1%~3%の微減となっており、市川市の4月については微増していました。日常的な外出数で比較した場合には変化が少ないことがわかります。たとえ緊急事態宣言下であろうと、日々の食料品の買い物などはしなければなりませんし、気分転換で散歩に出る方なども多くいたのであろうことが推測されます。

次は、第2回緊急事態宣言においての比較です。こちらでは1割から2割の減少がみられました。第1 回の緊急事態宣言の際よりも、テレワークがより一般的になり、フードデリバリーなど外出をしなくてもいいサービスがコロナ禍で発達したことが要因ではないでしょうか。いわゆる「巣ごもりスタイル」が普及することで、コロナ禍が人々のライフスタイルに大きな影響を及ぼしていたことが浮かび上がります。


このように、人流データを収集・分析することによって様々なことが見えてきます。自治体の業務や都市計画、民間企業のマーケティング活動などに大いに活用できるのではないでしょうか。

スペクティはSNSや気象データなどのビッグデータを解析して、防災・危機管理のサービスに活用しており、一方でゼンリンデータコムは位置情報や人流データというビッグデータを解析して、主にマーケティングに活用しています。多様なデータを大規模に分析し、生み出された価値や知見を社会問題の解決や都市の活性化に生かそうとする「データ駆動型社会」に向けて、両社は今後も切磋琢磨していきたいと考えています。

(根来 諭)
July 28, 2021

参考情報

ゼンリンデータコム 混雑統計®とは
https://www.zenrin-datacom.net/business/congestion/


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