グローバル・リスクマネジメントの課題とその実践的な対応~不確実な時代を乗り越えるインテリジェンスベースのクライシスマネジメント~ 【2025年11月20日開催】

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防災・危機管理ソリューションを提供するスペクティは、毎月様々なトピックでWebセミナーを開催しています。2025年11月20日には「グローバル・リスクマネジメントの課題とその実践的な対応~不確実な時代を乗り越えるインテリジェンスベースのクライシスマネジメント~」と題し、インターナショナルSOSジャパン株式会社(以下、インターナショナルSOS)と共催しました。

国際情勢の分断や不確実性が高まる中、企業が直面するリスク環境は劇的に変化しています。セミナーでは、Specteeの村上とインターナショナルSOSの福間氏が、最新のリスクトレンドや、テクノロジーと専門家の知見を組み合わせた危機管理のあり方について解説しました。本レポートでは、その内容を一部抜粋してご紹介します。

インターナショナルSOS 登壇者プロフィール
福間 芳朗
インターナショナルSOS リージョナル セキュリティ ディレクター ノースアジア

2012年インターナショナルSOSグループに入社。2016~2023年シンガポール本社でアジア太平洋地区のセキュリティサービスチームの統括責任者を務め、平時における各国・都市・地域のリスクに関するアドバイスから、有事においては有事対応オペレーションを指揮(2016年バングラデシュ テロ事件、2019年スリランカ連続爆破テロ、その他自然災害・行方不明者事案など多数)。 2023年より現職。企業に対する海外危機管理とクライシスマネジメントのコンサルティングや研修、海外現地のセキュリティサーベイや緊急退避計画のコンサルティングなどを行う。
インターナショナルSOSジャパン HP:https://www.internationalsos.co.jp/

■「危機を可視化する」Specteeの最新テクノロジー

セミナー前半はSpectee 村上より、AIを活用してSNSや気象データなどから災害・リスク情報をリアルタイムに収集・配信するSpecteeのソリューションについてお話いたしました。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。

災害や緊急時のリスクへの備えに「Spectee Pro」
https://spectee.co.jp/service/spectee/
製造業のサプライチェーンのリスクを統合管理「Spectee SCR」
https://spectee.co.jp/service/specteescr/
シンプル・低コストでサプライヤーのリスクを可視化「スマートリスク管理」
https://spectee.co.jp/smart_risk_management/
お問合せ窓口:pro@spectee.com

❶「ワールドワイドリーチ、ヒューマンタッチ」でレジリエンスを向上させるインターナショナルSOS

インターナショナルSOS 福間氏:インターナショナルSOSは、インドネシアとシンガポールで創業し、今年で40周年を迎えるアジア発祥のグローバル企業です。企業の「安全配慮義務(Duty of care)」の履行を支援し、従業員の健康と安全を守ることで、組織のレジリエンス向上に貢献しています。「ワールドワイドリーチ、ヒューマンタッチ」を掲げ、テクノロジーと専門家による人的支援の融合を最大の特徴としています。

❷激変するリスク環境と「インテリジェンス」起点のメンタリティシフト

インターナショナルSOS 福間氏: 現在、国際的な分断や保護主義の台頭により、リスクの環境は大きく変化しています。これまでの「ハイリスク地域」だけでなく、欧米などの「ローリスク地域」でもデモや暴動、異常気象が発生しており、リスクは「広がり、深まり、早まり、見えなくなって」います。特に「見えなくなる」点では、誤情報・偽情報の拡散により真実の把握が難しくなっています。

こうした中、企業のリスク管理は「回避(行かない)」から「積極的な管理(どうすれば安全に行けるか)」へとメンタリティのシフトが求められています。 このシフトを実現するために不可欠なのが、リスク管理の最初のステップとなる「インテリジェンス」です。単なる情報の収集にとどまらず、背景を理解し、今後の展開を予測するインテリジェンスがあってこそ、組織全体でスクラムを組むような柔軟でアジャイルな危機対応体制が構築できるのです。

❸不確実な時代に必要な「情報」と「判断」

セミナーの後半は対談を行い、危機対応におけるAIと人の判断の最適な融合や、グローバルな特殊状況下での具体的な判断基準など、様々な議論を展開しました。

・情報とアクションの重要性
Spectee 村上: 企業が悩むのは「何か起きた」後の「アクション(どう動くか)」です。実際の危機は個別状況によって異なり、マニュアル通りにはいきません。いざという時、即座にサポートしてもらえる体制が重要だと感じます。
インターナショナルSOS 福間氏: 平時では正しい判断ができても、有事の際には情報の渦やストレスで視野狭窄に陥りやすくなります。危機に晒され、対応するのは「人」である以上、テクノロジーだけでなく「ヒューマンファクター(人の判断・サポート)」を組み込むことは、もはや「あったら良い(Nice to have)」ではなく「必須要件(Must)」です。

・危機対応における「AI」と「人」の役割
Spectee 村上: AIは大量のデータ処理に長けていますが、最終的な行動責任は人間が負うため、「AIが意思決定した」という理屈は通用しません。また、災害時の避難所対応のように相手が「人」である場面では、感情面も含めた人間によるケアが不可欠です。AIと人を適切に組み合わせることが重要です。
インターナショナルSOS 福間氏:その通りですね。情報へのアクセスは容易になった反面、情報過多により何を判断すべきかが見えにくくなっています。例えば、インターナショナルSOSの体系的な情報収集にSpecteeのリアルタイム性とAI解析を組み合わせることで、正確かつ迅速な状況把握が可能になります。さらに、当社のような専門家による影響評価と具体的な対応策の提言を踏まえて、意思決定と行動に結びつけていくことが重要だと考えます。

・日本企業と欧米企業のリスク管理の違い
Spectee 村上: グローバル展開されている中で、日本企業と欧米企業のニーズに違いはありますか? インターナショナルSOS 福間氏:欧米企業は説明責任への意識が高く、危機管理をエコシステムの一部として統合しています。「なぜ出張を止めるのか」などを論理的に説明できなければステークホルダーは納得しません。一方、日本企業はこれまで「リスク回避」の傾向が強かったですが、グローバル化に伴い、より体系的なリスクアセスメントへのニーズが高まっています。

・中国など不透明な状況下での情報収集と判断
Spectee 村上: 中国のように情報の取得が難しい地域でのリスク管理について、悩まれる企業が多いですね。
インターナショナルSOS 福間氏: 中国に限らず、政治体制などが特殊な国ではマニュアル対応では不十分です。本社と現地が密に連携し、懸念と実情をすり合わせる「スクラム対応」が重要です。重要なのは情報を集めること自体ではなく、「安全に事業を継続するために、何を判断しなければならないか」を言語化することです。
Spectee 村上:その「言語化」は非常に重要ですね。全ての情報が取れないことを前提に、何を判断基準にするかを事前に明確にしておくことが求められます。

両社の対話から見えてきたのは、迅速で正確な「情報の検知」と、専門家による「文脈の理解と判断支援」の融合の重要性です。 SpecteeがAIを活用してリアルタイムに発信するリスク情報と、インターナショナルSOSの体系的な情報収集・専門家による分析・そして現地での実働支援は、相互補完的な関係にあります。不確実性が高まる世界において、テクノロジーとヒューマンタッチを掛け合わせた次世代の危機管理体制が、企業の持続的な成長を支える基盤となるでしょう。

(要約:井垣麻美子)
Feb 3, 2026

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スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性・正確性・網羅性で、危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握することが可能です。

また、『Spectee SCR』https://spectee.co.jp/service/specteescr/)はサプライチェーンに影響を与える危機を瞬時に可視化し、SNS・気象データ・地政学リスク情報など様々な情報をもとに、インシデント発生による危機をリアルタイムで覚知し、生産への影響や納期の遅れ等を迅速に把握することができます。

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