台風や集中豪雨にどう備えるか【2021年8月3日開催】

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スペクティは2021年8月3日、販売パートナーであり、また、安否確認システム「エマージェンシーコール」や情報管理ポータル「BCPortal」といったサービスを通じて企業の危機管理を推進するインフォコム株式会社様と、「台風や集中豪雨にどう備えるか ~AI解析によるSNSからの情報収集と災害対策本部での活用事例~」と銘打ったセミナーを共催いたしました。

本レポートでは、「台風や集中豪雨にどう備えるか 災害対策本部が実施すべきこと 47のアクションとICT活用のポイント」というタイトルでお話しいただいたインフォコム様のパートについて、抜粋版をご紹介したいと思います。



毎年のように発生し、大きな被害を及ぼす台風や集中豪雨に対して、災害対策本部はどう備えるべきでしょうか。災害対策本部の持つ特徴を洗い出したうえで、何をすべきか、そしてどのようにICTを活用するべきかについてお話をします。

まず最初に、「災害対策本部」というものが、どういう性質のものなのかを整理します。災害対策本部とは、平時とは異なる業務の実行に適した組織であり、また臨時に一定期間設置される組織と言えます。そして、その役割は「人命安全確保と資産の保護」「被害状況の把握」「経営資源の確保と再分配」「災害対応の意思決定」と言うことができます。


こうした災害対策本部の設置・運営において、各社では課題を持たれていると思います。代表的な課題として挙げられるのは、「災害を経験したことが無く、何をすべきか分からない」「いつ、どこで、どのような豪雨災害が発生するか分からず、適切な対応が難しい」「災害時に臨時で行う業務なので習熟しにくい」の3つと言え、それぞれについて具体的な対応策をこの後のスライドで説明します。


まず一つ目の「災害を経験したことが無く、何をすべきか分からない」ですが、以下に特定非営利活動法人「事業継続推進機構 災害情報研究会」発表の資料より、災害対策本部が行うべき17の業務と47のアクションを示しています。また、本社対策本部と現地対策本部それぞれの業務とアクションについては、発災後の時間の流れに合わせて列挙してあり、これに合わせて自社が何をすべきかを整理することが有効かと思われます。


次に、「いつ、どこで、どのような豪雨災害が発生するか分からず、適切な対応が難しい」という課題については、台風・集中豪雨災害の特徴を押さえておくことが重要です。台風・集中豪雨災害は、まず進行型・継続型・移動型と言えます。時間の経過と共に、状況が刻々と推移していきます。また、定期的と言うこともできます。日本においては7月から10月あたりに台風や豪雨が多く発生します。また、被害発生地域の事前特定ができるという面があります。どこで起こるか分からない地震のような災害と比較すれば、どの地域を想定して計画すればよいか、過去の歴史や天気予報等で見当をつけておくことが可能です。

こうした台風・豪雨災害への対応について、4つのポイントがあります。

①脆弱性の調査と対応
重ねるハザードマップなどのツールを使って、自分たちの施設などの立地にどのようなリスクがあるかについて確認をすることが第一歩になります。
②進行型災害への対応
ついで、時間とともに状況が変わる進行型災害ですので、タイムラインを作成します。台風であれば、台風の発生から上陸までの時系列で「誰が」「いつまでに」「何をするか」を明確にしておきます。
③被災地被害の全容把握
発災後は、自社・顧客・取引先・地域を縦軸に、ヒト・モノ・カネ・情報・インフラを縦軸に、被害の状況の全容を把握します。被害が無いのか、軽微なのか、甚大なのかを俯瞰したうえで、どのようなレベルの災害なのかを評価し、災害対応方針を選定します。
④実施活動の記録
最後に活動の実績を時系列で記録します。誰か特定の人に頼ってしまうと、その人がいなくなってしまうと機能しません。個人の能力や経験に頼らず、危機発生時に求められるノウハウや教訓を蓄積することが将来への備えになります。

3つ目の課題、「災害時に臨時で行う業務なので習熟しにくい」については、ICTを活用することが有効です。ICTを活用することで、アクションを自動化・迅速化・確実化し、またそれを記録に残すこともでき、担当者の精神的・肉体的な負担を軽減することができます。

本社対策本部の10業務と22アクションの図でいうと、赤枠の部分が特にICTが活きるアクションと言えるでしょう。


特に「⑦被害情報の収集」に絞って説明すると、被害情報を収集する流れは、「災害発生→安否確認の入力指示→被害情報の入力→システムが記録→管理者による被害情報の参照」という形になります。これは一度で終わるものではなく、時間が経つごとに第二報・第三報と積み重なっていくものです。

この流れを、インフォコムの緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール(EMC)」や情報管理ポータル「BCPortal」を使って行う事例をお見せします。


被害情報の収集におけるICT活用の流れを最後に紹介します。最初に情報収集の目的を明確化することが非常に大切で、その設定した目的に対して軸をぶらさず、意思決定に資する情報は何か、そのためにどのような情報をどのような方法で収集するか、それをいかにシステムに反映させるかを考えることが重要です。


エマージェンシーコール
https://www.infocom-sb.jp/emc/

BCPortal
https://www.infocom-sb.jp/bcportal/



いかがだったでしょうか。台風や豪雨災害に対してどのように対応策を検討し、実行すればよいかが綺麗に整理されており、自社に当てはめることで事業継続計画の立案をスムーズに進めることができるのではないでしょうか。また、災害を検知したり、現場の被害状況を把握するというプロセスでは、スペクティが提供する「Spectee Pro」が大いにお役に立てるのではないかと思います。是非ご検討をお願いしたします。


信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!

スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

(リアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』)

 


(根来 諭)
September 15, 2021


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