事例から学ぶBCPと初動対応 AIによるリアルタイムなリスク分析で危機管理が変わる【2022年8月30日開催】

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防災・危機管理に関する様々なトピックを取り上げて開催しているスペクティによるWebセミナーですが、2022年8月30日には「事例から学ぶBCPと初動対応 AIによるリアルタイムなリスク分析で危機管理が変わる」と題してお届けしました。本レポートではその内容の抜粋をお届けいたします。


BCPとは、何らかのインシデント(危機事象)に見舞われても事業を継続させるための計画で、どのように初動対応や安否確認を行い、自社・取引先などの状況を把握した上で、被害が生じている場合にはどう対応していくかを決めておく重要なものです。

企業によるBCPの策定状況はどうなっているでしょうか。2019年の調査では、大企業の約7割、中小企業では約3割が策定を行っていました。策定が進んでいるのは金融・保険、情報通信、建設業、さらに製造業で、それ以外の業種や中小企業ではまだ十分に対応できているとは言い難い状況です。しかし、昨今の自然災害の増加で、策定に対して前向きな企業は増えているものと思われます。

さて、BCPを策定・運用するために何が必要でしょうか。まずは、企業や業態によって直面するリスクは様々ですので、リスクの洗い出しを行います。次にリスクの影響度、つまりあるリスクが顕在化した際に、自社のビジネスにどのような影響があるのかを明確にします。さらに、大小あらゆるリスクに等しく対応することは不可能なので、優先順位をつける必要があります。最も大切なことは、BCP策定の目的を明確化しステークホルダーに共有すること、そして運用しながら見直しをかけてブラッシュアップしていくことです。

最近、企業を取り巻くリスクが多様化していると言えます。

自然災害は多発化・激甚化しています。日本において、激しい雨による水害は実感としても増加していますし、地震や火山の噴火なども考慮に入れなければいけません。世界的にも自然災害による損害額は増加しています。また、サイバー攻撃やシステムダウンによるインフラ不通、ロシアのウクライナ侵攻に代表される地政学的なリスクの顕在化、そして新型感染症によるサプライチェーンの混乱やSNSでの炎上に代表されるレピュテーションリスクなど、実に多くのことを想定してBCPを策定していかなければなりません。

BCPを運用していくうえで最も大切なことは、インシデント(危機事象)の発生を迅速かつ正確につかむことです。スペクティが提供するソリューション「Spectee Pro」は既に多くの民間企業や自治体・官公庁で導入いただいておりますが、昨今は特にサプライチェーンのリスクマネジメントに活用していただき、お役に立っているケースが多くあります。

スペクティが行った調査でも、現場の状況をつかむことの難しさが浮き彫りとなりました。サプライチェーン・リスクマネジメントの難しさは、関係者が多く全体把握が難しい点にあります。Spectee Proには自社や取引先などの拠点を登録しておき、その周辺でインシデントが発生した際に、担当者に即座に通知する機能があります。国内および海外で何らかサプライチェーンを阻害するインシデントが発生した際、通常は報道によって知ることになりますが、発生から長い時間が経ってから届けられることがほとんどです。これを発生後すぐに覚知できることによるアドバンテージは、代替品確保などの対応を行う上で大きいといえます。

最後に本年よりサービスインした、Spectee Proの新しい機能をご紹介します。それは「浸水推定」機能で、水害が発生した際、SNSに投稿された画像から浸水深を推定し、それに場所・降水量・地形データの情報を掛け合わせることでAIが自動で浸水範囲を割り出し、配信するものです。自治体による災害対応や民間企業が自社アセットを守るための意思決定に大いに役立てていただいております。

(SN)
October 12, 2022


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スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

(AI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』)
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