【Webセミナー】 サプライチェーン強靭化セミナー~課題整理から始める調達力強化とリスク管理~【2023年6月28日開催】

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月次でお届けしているスペクティのWebセミナーですが、6月28日には『サプライチェーン強靭化セミナー~課題整理から始める調達力強化とリスク管理~』というテーマで開催をさせていただきました。共催くださったのは調達・購買部⾨向けのクラウドサービスで急成長中の株式会社Leaner Technologies。Leanerからは取締役COOの田中英地氏、スペクティからは代表の村上が登壇し、それぞれのプレゼンテーションのあとにトークセッションを行いました。このレポートではその内容を抜粋してお伝えいたします。

◆Leaner◆

Leanerとは、調達DXを進めるためのクラウドサービスを開発・提供している会社で、すでに累計5,000社を超えるお客様にご利用いただいています。その中で、調達力強化を進めたいという企業から、サプライヤーの管理について色々なお悩みをお聞きます。例えば仕事の進め方がアナログなままであるとか、人によって進め方がまちまちであるとか、災害が起きた時の確認が大変であるとか・・・こうしたサプライヤー管理への課題を抱える企業が沢山いらっしゃいます。

今日お話しするサプライヤー・リレーションシップ・マネジメント(SRM)とは、サプライヤーとの関係を強化し、ビジネスの価値創出につなげるための活動です。その目的として企業が挙げるのが、サプライヤーのケイパビリティをきちんと活用したい、あるいはコスト削減の推進をしたいといったことです。

SRMの活用度合い、浸透度合いというのは各企業によって様々ですが、調査によればしっかりやり方を確立して価値創造までつなげられている企業はほとんどなく、「全くやれてない」「一部の活用に留まる」という企業が実に9割を越えます。

では「やれていない」と言った時に、具体的に何が壁になっているのでしょうか?調査によると「コスト削減の追求に偏ってしまう」「スキルやケイパビリティがない」「戦略的な目的との整合性がない」などという回答が多くなっています。逆に上手くいっている企業はその成功要因として「成果の測定」「戦略的な一貫性」「トップマネジメントのサポート」「適切なガバナンス」といった項目を挙げており、現場の担当者だけが頑張るのではなく、企業として一貫した取り組みが必要な領域だという事ができます。

SRMを通じてできることは、価値の創造・コストマネジメント・デリバリーマネジメント・リスクマネジメントなど様々ありますが、SaaSを使うことによってSRM推進に貢献できる部分が多くあると考えています。例えば、競争力のあるサプライヤーを選定する過程を可視化することや、リスクマネジメントの点ではサプライヤーの情報をためておいて、特定の事象が起きた時にすぐにどこに影響があるかをわかるようにすることなどがあります。

ここまでの一旦のまとめです。SRMは、サプライヤーとの協働を起点としてビジネス価値の創出につなげる取り組みですが、まだまだ多くの企業にとっては活用できておらず、これからの領域だと思います。その中でうまく行っている企業はトップマネジメントのサポートを含めて全社一丸で取り組んでいると言うことができます。

ここまで、SRMについてご紹介をしてきましたが、さらにもっと大きな調達のDXによる変革ということを考えた時に、何をやらねばならないのかについてもエッセンスをお伝えしたいと思います。

調達DXは、①業務プロセスのデジタル化をする→②競争力の強化につながる調達データの蓄積をする→③データ活用による戦略的な調達活動を行う、というステップで進めるものですが、企業にどこで困っているのかを伺ってみると、ほとんどが①や②の部分で躓かれています。それは何故なのか。従来の調達DXの進め方の問題点としては、まずシステムの設計構築に1~2年かかるケースが多く、なかなか運用をスタートできません。そしていざシステムができても、使い方が煩雑すぎてなかなか利活用が始められない、ということになります。その結果展開しても現場が使いこなせずに結局運用されない、というようなことが一般的に見られます。

弊社がご一緒する際には「Rapid Sourcing Transformation」と呼ぶモデルで、クイックにスタートし、成果を刈り取りながら進めていくというやり方で進めます。まず数種類のデータを使って数週間で利用を開始し、オンボーディングもスピーディに行い、シンプルなUI/UXによってほぼ全てのソーシングのデジタル化を拡大していく、という方法でこれを実現しています。

この「Rapid Sourcing Transformation」で改革を進めることで、まずは見積プロセスのデジタル化/効率化よって、リソースを付加価値業務にシフトすることができます。そうして作り出したリソースで、どんどん溜まっていくデータを活用して、調達活動の高度化に力を入れることができ、その結果、事業の成長や収益性の向上につなげていくことができるわけです。


◆Spectee◆

スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』は、自治体の防災や民間企業の安全管理の目的で広くご利用いただいていますが、最近ではサプライチェーン・リスクマネジメントでの活用が急速に広がっています。増加する自然災害やロシアのウクライナ侵攻など地政学リスクの高まりによって、サプライチェーンを取り囲むリスクが多様化していること、そしてサプライチェーンは多くのステークホルダーで構成されており、自社だけを見ていてはリスク管理が十分に行えないことなどがその背景にあります。Spectee Proの機能や使い方について説明させていただきました。


◆トークセッション◆

Q.フェイクニュースの問題はどう扱っているのでしょうか。

Spectee村上)
フェイクニュースや誤情報については、導入するお客様としても非常に気になる部分でもあり、それらを排除することに力を入れています。AIだけではなく、人のチームが24時間情報の確認を行っており、配信される情報は全て正確性が担保されたものになっています。

Q.調達・リスク管理を問わずSCMの重要性が上がってきているが、取り組みできていないのが実態です。取り組みを始める会社は、どのようなことをきっかけに始めているのでしょうか。

Spectee村上)
1次サプライヤーや2次サプライヤーは、納期遅れになるような場合にはきちんと連絡をしなければいけないなど、完成品メーカーからのプレッシャーが強く、それがきっかけに試してくださる企業様が多いです。また、最近はサプライチェーン・リスクマネジメントが注目されており、経営陣からしっかりやれと言われたり、体制ができていないと取引先を変えられるリスクがあることもきっかけになるではないでしょうか。

Leaner田中)
リスク管理の取り組みをしていないと、サプライチェーン上流の企業と取引できないということは多いです。また、サプライヤーが被災して生産が止まってしまい、やはり大事であると気づかれる場合も。トップから落ちてくる事例では、法規対応や不正の防止といったガバナンス目線から、しっかりリスク管理しようとなるケースもあります。

Q.Spectee自身が被災した時のBCPはどうなっていますか?

Spectee村上)
サーバの冗長性を確保しており、クラウドサーバを東西に分けているほか、自社内での教育・訓練をしっかりやっています。ファクトチェックのチームは、現在では在宅でもできるような仕組みになっていて、出社せずとも業務にあたることができるようになっています。

Q.サプライチェーンのリスクを考えると二次以降のサプライヤーとの物流が切れるとということもありえますが、Leanerを使うことで解決することはできますか?

Leaner田中)
具体的にそれを解決するわけではありませんが、サプライヤーさんの冗長性を担保するという意味では、同じカテゴリーの中でサプライヤーマップを作っておいて、そこに対して依頼をして回答をもらうということは簡単にできます。ある事象が起きた時に、関連製品や同様の設備を持っている企業をすぐに見つけて依頼することができます。

Q.それぞれの視点で改革がうまくいく企業といかない企業の特徴があれば教えてください。

Spectee村上)
自社のペインポイントが明確になっている企業では早く進みます。しかし多くの企業では「何していいのかわからない」という中でSpecteeにたどり着いた、ということも多く、その場合には改革に長い時間がかかることもあります。また、早く進むのは、経営陣の理解がしっかりできている場合です。

Leaner田中)
弊社のお客様で言うと、うまくいかないケースは基本的になく、活用率100%に近づくところまでサポートしています。うまくいく/いかないで言えば、やはり「やってみる」ということを、すぐに意思決定できるかどうかが大きいと感じます。昨今のクラウドのサービスは、安価に小さく始められるので、まずやってみた上でギャップを見つけて正解にに近づけていくというアプローチを取ることで、速く、そしてうまく進むのではないでしょうか。

Q. 調達DXの事例で具体的な成功事例を教えてください。

Leaner田中)
プロセスのデジタル化については、非常に大変なソーシングの業務を、1/4,1/5ぐらいにぎゅっと絞り、余力を作っていくこと。これは色々な会社様で実現できていることになります。データが散り散りになってしまっている問題については、同じデータ基盤に情報を統合しておくことで、データの査定やそのサプライヤーが最適かどうかについて適切に判断できるようになり、調達コストを下げることができています。

Q.せっかく素晴らしいシステムがあっても、サプライチェーンの見える化を進める上で、部門間や会社間での情報共有が難しい。どのように乗り越えるべきか。

Spectee村上)
Spectee Proを導入するのは主に調達・購買の部門ですが、一方で営業の方は日々完成品メーカーとやりとりをしており、納期遅れの際などはすぐに連絡しないといけません。しかし調達部門と営業部門の距離が離れていて情報共有が難しいケースが多いという問題があります。Spectee Proではスマホのアプリを用意しており、それをSpectee Proと連携させる機能を使っていただいています。また、TeamsやSlackを活用されている会社も多くあります。一方、他社との情報共有はさらにハードルがあがり、被災時のアンケート機能があっても、回答してくれなければ意味がありません。実際に最近自動車メーカーさんと取り組んだのが、サプライヤー約5,000社へのアンケート送付と回答の訓練です。こうした取り組みをやっていかなければいけないと思います。

Leaner田中)
情報を共有しようとかデータをシステムに貯めようと言った時に、それ自体に工数がかかってしまうことで躓いてしまいやすいと思います。そのための解決策は、やはりユーザーさんにとって使いやすいものにすることが大切で、負担を感じないようにわかりやすいUI/UXにすることがシンプルな解決策だと考えています。

(要約:根来 諭)
August 2, 2023


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スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

(AI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』)
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