【Webセミナー】今知っておきたい南海トラフ地震~能登半島地震の発生を受けて、改めて考えたい対策~【2024年2月20日開催】

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防災・危機管理に関するソリューションを提供するスペクティでは、毎月様々なトピックを取り上げてWebセミナーを開催しています。2024年2月20日には、『今知っておきたい南海トラフ地震~能登半島地震の発生を受けて、改めて考えたい対策~』と題した内容でお届けしました。本年元日に発生した能登半島地震で改めて地震の恐ろしさを実感し、対策を見直そうとする企業や自治体が多くいらっしゃると感じています。それを受けて、近いうちに発生することが危惧される南海トラフ地震に関するお役立ち資料をアップデートするとともに(ダウンロードはこちらhttps://spectee.co.jp/documents/document4/)、本セミナーでその内容にさらに肉付けをして解説いたしました。本レポートでは、その内容を抜粋してお届けいたします。

◆南海トラフ地震の特徴

南海トラフ地震は、駿河湾から紀伊半島の南側を経て日向灘沖までに至る区域を指す「南海トラフ」で発生することが予測されている地震です。地震のタイプには活断層型と海溝型があり、「活断層型」は今回の能登半島地震、1995年の阪神淡路大震災、2016年の熊本地震などが代表的な事例で、一般的にいきなり大きく縦揺れし、揺れの時間は短いことが特徴です。一方南海トラフ地震は、プレートが沈み込むことで蓄積されたひずみが解放される際に起こる「海溝型」地震で、1923年の関東大震災や2011年の東日本大震災などはこちらのタイプに属します。

南海トラフ地震の特徴で認識しておきたいのは「周期性がある」ということで、この地域では100年~200年の間隔でひずみが解放されていることがわかっています。また、1854年の地震ではひとつ目が南海トラフ東側で発生したあと32時間後にふたつ目が南側で発生、1944年の地震ではひとつ目が東側で発生したあと2年後にふたつ目の地震が南側で発生しており、「複数の地震が連動しうる」ことも特徴と言えるでしょう。

南海トラフ地震が発生した際の被害想定は、2019年に中央防災会議が公表したデータによると、最悪のケースでは死者数約23万人、建物の全壊が約209万棟、建物・資産の直接被害額が約172兆円と見込まれているとともに、東日本大震災で我々が恐ろしさを思い知った津波による被害も広く発生することが見込まれます。

◆有効な対策は?

対策を考えるうえで改めて確認したいのが、「現時点では地震の予知をすることは難しい」ということです。「x年以内にx%の確率で発生する」というような長期評価の数字もありますが、確率はあくまでも確率であり、いつ起こってもいいように準備をしておくこと以上のことはできません。自然災害には台風や感染症など、徐々に状況が悪化していく「進行型」のものもありますが、地震は突然発生する「突発型」の代表例であり、発生した後のアクションにフォーカスせざるを得ません。

企業が取り得る有効な対策は、事業継続計画(BCP)を策定し、地震発生後の対応フローをしっかりと確立するとともに、訓練を行って組織に浸透させることです。BCPは大企業では導入が進んでいるものの、リソースに限りのある中小企業ではまだまだ浸透していません。しかし、世の中の製品やサービスは大企業だけではなく中小企業も含めてそのサプライチェーンが形成されているわけで、大企業が自社の対策を取るだけでは不十分です。BCPの連携(他社との連携・行政機関との連携など)も含めて、サプライチェーン全体を視野に入れたBCPを考えることが重要です。

南海トラフ地震に関連して覚えておきたいのは、「南海トラフ地震臨時情報」というものが気象庁から発信される可能性があるということです。南海トラフを震源とする地震では、前述の通り、南海トラフの東側と南側で連続して地震が起こる可能性が指摘されています。そのため、南海トラフでのM6.8以上の地震が発生したケース、または通常とはことなる「ゆっくりすべり」(普通の地震によるプレートのすべりよりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象)が発生した可能性があるケースでは、有識者が検討会を開き、続いて巨大地震が発生する可能性が高いかどうかを判断のうえで臨時情報が発信されます。この「南海トラフ地震臨時情報」をトリガーとしてどういう対応をとるか、BCPの中に組み込んでおく必要があります。

◆SNS情報は能登半島地震でどう活用されたか

弊社が提供しているSpectee Proは地方自治体や中央官庁に広く導入されており、今回の地震でも、マスメディアの報道ではなかなか得ることが難しい、現場の状況に関する情報の収集において大いに活用していただくことができました。セミナーでは実演致しましたが、発生後すぐから、SNSには道路が割れて通行ができなくなっている様子、家が倒壊している様子、土砂崩れが発生している様子などが次々と上がり続けていました。地震災害への対応では、まずはどこで何が起きているのかを正確かつ迅速に把握することが、有効な初動対応をとるために決定的に重要です。

一方、今回の被災地域は、電子部品や医薬品の産業集積地もでもあり、民間企業のお客様にも活用いただくことができました。製造業においては、災害が発生した際に、自社のサプライヤーに対する影響を確認し、自社のどの製品の生産に影響を与えるのかを把握したうえで、その情報を納入先を含む関係各社に共有することが大切ですが、これを迅速に行えている企業様はそれほど多くありません。

下記図は、スペクティの顧客が今回の能登半島地震においてSpectee Proをどうやって活用したかのフローを表しています。まず、災害の発生を覚知した後は、被災地に近いサプライヤーのリストを瞬時に作成、電話をかけて影響を確認したところ、1社で被害が発生していることが把握できました。あとは被災したサプライヤーから供給を受けている部材の品番を確認し、影響範囲について納品先企業へのレポーティングを行っています。Spectee Proを活用することで、この作業を1時間以内に完結することができました。東日本大震災では、影響の把握だけで数日から1週間以上かかるケースも多くありましたが、こうしたツールを使うことで、サプライチェーンのレジリエンスを高めることが今後より求められていくのではないでしょうか。

(要約:根来 諭)
April 03, 2024


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スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

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