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サプライチェーンのリスクマネジメント~直面する課題と対策~【2024年7月22日開催】

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防災・危機管理に関するソリューションを提供するスペクティでは、毎月様々なトピックを取り上げてWebセミナーを開催しています。2024年7月22日には『サプライチェーンのリスクマネジメント~直面する課題と対策~』と題し、船井総研ロジ株式会社の田代三紀子様をお招きしてお届けしました。本レポートではその抜粋をお伝えします。

■登壇者プロフィール
船井総研ロジ株式会社 執行役員 兼 コンサルティング本部 副本部長 田代 三紀子氏
製造業・小売業を中心とした荷主企業に対し、物流戦略策定、物流拠点の見直し、コスト削減策の提案、物流コンペのサポートなどの支援を数多く行ってきた。また、物流子会社に対しては存在価値、あるべき姿の策定、他社との競争力評価(物流子会社評価)を行っている。得意なカテゴリーは、化学、日用雑貨など。また、物流をテーマにした数少ない女性コンサルタントとして、脱炭素、ESGロジスティクス実行に向けた研修やコンサルティングを行っている。

冒頭にSpecteeの会社紹介と、サプライチェーン・リスクマネジメントに特化したソリューションであるSpectee SCR(Spectee Supply Chain Resilience)についてお話させていただきました。ご興味ありましたら是非お問い合わせください。
サービスHP:https://spectee.co.jp/service/specteescr/

❶物流拠点検討のポイントとは

村上(Spectee):サプライチェーンのリスクマネジメントに関して、お客様からはどういったご相談が多くなってきていますでしょうか?

田代(船井総研ロジ):2024年問題で、ドライバーの残業時間の上限規制が適用されると、今まで当たり前のように運んでもらえていたものが時間の制約によって運べなくなってしまいます。その中で物流の拠点をどう置いたらいいかというご相談が増えてきています。 拠点は集約するべきなのか、もしくはいろんなリスクを踏まえて分散すべきなのか、というご相談が多いですが、トレンドとしては拠点は分散の方向です。まずは定量的な要素として、許容できるコストを確認すること、また定性的な要素としては、その場所の地盤や周辺の交通環境、その他リスクの有無なども鑑みる必要があります。

田代:まずはリスク分散のために拠点を東日本と西日本に持つことが必要ですが、ただ東西に分けておけば良いのではなく、調達先・納品先とのアクセスや通勤アクセスの確保も考慮しなければなりません。また、バックアップ電源の確保や輸配送の機能継続のための準備も重要です。さらに業務の標準化と属人化の解消、取引先や協力会社を含めて事前のルール作りなどをしておくことで、有事の際に効率よく対処することができます。

荷主と物流会社のパートナーシップの重要性

村上2024年問題に関しては、どのような問題が発生していますでしょうか?

田代:時間の制約によってドライバーが従来より稼げなくなってしまうので、物流会社が荷主企業に対して値上げを求めることが多くなっています。ですが、荷主側はコストを下げたいので、両社の希望がなかなか合致せず、料金改定がうまくいかない。2024年問題が始まる以前からある問題ではありますが、運賃の値上げ・価格交渉が大きなポイントになっていると思います。

村上:価格以外にも荷主と物流会社の考え方が異なることは多いと思いますが、荷主が委託会社を管理する際のポイントはありますでしょうか?

田代:まずは、荷主側の戦略をしっかりと物流会社側に落とし込むことが大事だと思います。その際、リスク低下のためにその物流会社が一緒になって頑張れる会社かどうかを見ることも必要です。 どんな視点で見ていけば良いかというと、まず与信、もう一つがその事業の継続性です。物流会社がどんなサービス領域を提供しているのか、既存のサービスだけではなく、例えばCO2の排出の可視化に取り組んでいるなど、新しいサービスをどれだけ提供できているかもしっかり見る必要があります。あと大事なのが事故で、例えば人手不足による長時間労働や習熟度不足による事故が増えているか。荷主はこれらの視点で物流会社を見つつ、あわせてフォローもしっかり行っていくことが大事です。

❸未来のサプライチェーン構築は経営層への啓発が鍵

村上:先ほど話が出た2024年問題は、日本における物流の転換点になっていると思います。2024年問題を含め、体制構築などでうまく行っている会社の事例はありますでしょうか?

田代:今まで物流部は、コストダウンしながらもしっかり荷物を届けられる体制を作るのが使命だと言われることが多かったです。ただ今はそれだけでなく、物流体制やサプライチェーン全体を構築するための新たなアクションを取る必要があることを経営層に啓発できている会社が、うまくいっていると感じます。実際のお客様の例で言うと、毎月ニュースレターを発行して2024年問題に関する問題提起を発信されていたり、役員会議の中でサプライチェーンの現状と今後の展望について説明をされたりといった事例があります。あとは、我々のような第三者の立場から啓発していくことも大事です。

村上:我々Specteeも、お客様のサービス導入時には役員レベルの理解と決裁が必要ですので、役員の方へのブリーフィング方法を担当者の方と一緒に作りながら進めています。最後に、今後はAIなどの新しい技術を積極的に取り入れていくべきでしょうか?

田代積極的に取り入れるべきです。コストダウンが出来るのかという視点だけでなく、人手不足の解消効果も見ていく必要があると思います。その技術を入れて何をどう実現していくのか、何のリスクを排除できるのかという観点を持ちながら、社内でコンセンサスをしっかり取ることが大事です。取り組みが進んでいる活発な企業は、変化を柔軟に受け入れる能力があります。失敗しても次に進む姿勢が、その企業の成功や従業員の積極性につながると考えています。

 

(要約:江口 舞)
Aug 21, 2024

 

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