能登地方地震にみるAIリアルタイム防災・危機管理サービス~Spectee Proの実力と活用例~【2024年7月9日開催】

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防災・危機管理に関するソリューションを提供するスペクティでは、毎月様々なトピックを取り上げてWebセミナーを開催しています。2024年7月9日は「能登地方地震にみるAIリアルタイム防災・危機管理サービス~「Spectee Pro(スペクティ プロ)」の実力と活用例~」をテーマに開催し、「Spectee Pro」が能登半島地震でどのような効果を発揮したのか、詳しく解説しました。最新の防災テックについて、理解を深めていただける内容となっております。


❶「Spectee Pro」の主な特徴

「Spectee Pro」は、SNSだけでなく、気象データ・交通データ・道路や河川に設置されたカメラ画像など、多様な情報源を活用することが可能となっています。特に能登半島地震の際には、SNSに投稿された動画・画像だけではなく、自動車の走行データ(プローブデータ)が大いに活用されました。

 一般的にSNSの分析というと、特定のキーワードを基に情報を抽出するというイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし、「Spectee Pro」では自然言語解析だけではなく、画像解析の技術に力を入れています。実際の現場の様子が分かる映像や画像に注目し、その解析をもとにリアルタイムで情報を伝えることができます。

SNS情報を活用する際の最大の課題は信憑性の確保ですが、「Spectee Pro」では、この課題を解決するために、AIを活用したリアルタイムでの情報収集・解析を行っています。ですが、AIだけでは情報の信憑性を100%確保することは難しいため、最終的には人による24時間のチーム体制での情報確認を行い、AIと人間によるハイブリッドチェックを行っています。これにより、「Spectee Pro」は現場が信頼することができる情報のみを提供しています。

さらには、SNS情報をもとに浸水範囲と浸水深をリアルタイムに推定する「リアルタイム浸水推定」の機能も備えています。これにより、工場や企業の設備、自治体の避難所などが 浸水エリアに含まれているかどうかを確認し、被害の最小化につなげることができます。  現在「Spectee Pro」は、企業や自治体など、多様な場所での導入が進んでいます。すでに契約数は1000件を超え、全国の47都道府県の自治体でも導入またはトライアルが進行中です。

❷能登半島地震における「Spectee Pro」の活用事例

能登半島地震における「Spectee Pro」の活用事例として、富山県や石川県などに多くの工場や取引先を抱えている製薬関連企業のケースを紹介させてください。能登半島地震が発生した際、被災地域に位置する拠点・サプライヤーからの部材調達が影響を受ける可能性がありましたが、 「Spectee Pro」の活用により、建物の倒壊などの状況を画像や動画でリアルタイムに確認し、その被害の程度をすぐに把握することが可能になりました。

「Spectee Pro」には拠点を登録する機能があり、多くの顧客によって様々な用途で活用されています。上述の製薬関連企業では、取引先の情報を地図上にプロットし、サプライチェーンの可視化とリスクマネジメントに活用しています。他には、例えば自治体では避難所、電力会社では電力関連設備の位置、倉庫会社では倉庫の位置などを登録しておき、それら拠点の周囲で何かが発生したり、被災エリアに該当したりすると、そのことをすぐに知ることができる仕組みになっています。リアルタイムでメール通知が行われるとともに、アンケートが自動的に送信される機能もあり、このアンケートに各拠点や取引先企業が被災地の状況や人的・物的被害の有無を回答することによって、情報の迅速な収集と状況の把握が可能となっています。

 今回の地震発生時には津波警報が発令され、津波による影響の有無の確認が必要となりましたが、「Spectee Pro」では、近隣に設置されているカメラにアクセスすることによって現場の実際の状況を確認することができました。また、交通状況についても速やかに把握する仕組みが整っています。通行可能な道路の判断には 自動車のプローブデータはもちろん、道路カメラも活用し、実際の道路状況を画像を通して確認することもできます。

能登半島地震は元旦に発生したため、大半の企業は休業中であり、情報収集は通常よりも困難を伴ったものと思われます。しかしながら、上述の製薬関連企業においては、「Spectee Pro」の活用により迅速な対応をとることが可能となりました。従来、災害発生時の状況把握とレポート作成には1週間以上の時間を要したところ、「Spectee Pro」導入後には(正月期間にもかかわらず)わずか2日間で役員への報告までのプロセスを完了することができた、との嬉しいご報告をいただくことができました。

今後もスペクティは、防災・危機管理の世界を変革するべく、新たなテクノロジーを積極的に取り込んで、新サービスの開発に努めて参ります。

(要約:門脇 紳修)
Aug 9, 2024


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信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!

スペクティが提供するAI防災危機管理情報サービス『Spectee Pro』https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性・正確性・網羅性で、危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握することが可能です。

また、『Spectee SCR』https://spectee.co.jp/service/specteescr/)はサプライチェーンに影響を与える危機を瞬時に可視化し、SNS・気象データ・地政学リスク情報など様々な情報をもとに、インシデント発生による危機をリアルタイムで覚知し、生産への影響や納期の遅れ等を迅速に把握することができます。

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