危機に強いレジリエント企業とは?~ AIを活用した災害時の物流マネジメントとサプライチェーンのリスク管理 ~【2021年8月26日開催】

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定期的にウェブセミナーを開催しているスペクティですが、2021年8月26日には「危機に強いレジリエント企業とは?~ AIを活用した災害時の物流マネジメントとサプライチェーンのリスク管理 ~」というテーマを取り上げました。自治体や民間企業、非営利団体に至るまで、多数のご参加ありがとうございました。本レポートではその抜粋版をお伝えいたします。

レジリエント企業とは

昨今、レジリエンスいう概念が注目を集めています。レジリエンスとは弾力性・回復力のことで、レジリエント企業とは、「危機に対する強靭性や対応力を持った企業」のことを指します。

では、危機とは何でしょうか。 スペクティでは、企業にとっての「危機」とは、内的・外的要因によって企業の活動の持続可能性が失われることと定義し、具体的な事象としては下記のように様々なものを含むと考えます。自然災害や感染症などは当然ですが、GDPRのような個人情報保護にかかる新しい規制の導入や、政治的な混乱なども含まれてきます。

企業はこうした危機に際し、倒れるわけにはいきません。そのためには「レジリエンス力」を高める必要がありますが、ハーバード・ビジネス・レビューでは、レジリエント企業であるために必要な要素として下記の6つを挙げています。

バックアップがしっかり出来ている「冗長性」、環境の変化や様々な状況に対応するために大切な「適応力」「多様性」、ある部分が駄目になった時に切り離すことができる「モジュラー性」、きちんと状況を見極めて判断をしたり、事前に予防措置を取るような「慎重さ」、そして危機的事象に対しても一貫した行動が取れる「一体性」がレジリエント企業に必要な特性だと言えます。

また、スペクティの過去のコラムで紹介しましたが、レジリエント企業を作るには次の5つを備える必要があります。このうち、「①危機を察知し影響を推測する」という部分では、スペクティの提供する危機管理情報ソリューション「Spectee Pro」がお力になることができると考えています。


物流&サプライチェーンのリスク管理

一方で現在、企業やサプライチェーン全体にとって大きな「危機」である工場火災が増えています。旭化成マイクロシステムズ 延岡工場、ルネサスエレクトロニクス 那珂工場、TSMC 台湾工場、堺化学工業 湯本工場など、この1年を見ても大きな火災が相次いでいるのが現状です。

下記左のグラフは、Spectee Proで覚知した火災の件数で、2020年の11月ごろから顕著に増えていることがわかります。一方、右のグラフは製造事業所数と従業者数を示しています。

日経新聞は、激しい企業間競争の中で、安全にかけるコストが減り、対策が後手になっているとの仮説を立てていますが、工場にいる人員が減少してきているということも原因なのではないでしょうか。コロナ終息後もリモートワークを継続しようと考えている企業が多く、人員が減ることで以前と比較して火事や設備の劣化に早く気づいたり、迅速な初期消火をしたりというようなことが減少すれば、今後も工場火災の増加傾向は続くのではないかと思います。

そうした火事などを含めた様々なサプライチェーンの阻害要因は、SNSを活用することでいち早く覚知することができます。サプライチェーンは、関係者が多いために全体把握が難しく、自社の努力だけでコントロールすることができないという特徴があります。その中で、自社のサプライチェーンの上流・下流で何が起きているのかを「早く知って、早く対応したい」というニーズが根強くあります。

サプライチェーンに対するリスクは当然火災だけではなく、自然災害や海外でのテロなど多くの事象を含みます。Spectee Proでは例えば、旭化成マイクロシステムズ 延岡工場の火災については一般の報道よりも10時間以上前に配信しており、また、世界中の物流に大きな影響を与えたスエズ運河でのコンテナ船の座礁事故も、報道より半日以上早く配信した実績があります。

その他、冒頭では自治体・官公庁・民間企業に広く採用されているSpectee Proについても紹介させていただきました。スペクティは、その危機管理ソリューション「Spectee Pro」を通じて、サプライチェーンの阻害要因をいち早く覚知し対応できる、レジリエントな企業活動のお手伝いをしたいと考えています。


信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!

スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

(リアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』)

 


(根来 諭)
September 29, 2021


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