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宮城県石巻市

浸水被害の把握や被災地支援で活用、情報収集を効率化し業務負担を軽減

『Spectee Pro』を導入したきっかけ

信頼性の高い情報と地図での可視化で迅速な初動対応が可能に

 石巻市は、河川や海からの堆積物で形成された平野部に位置し、元々標高が低い地形です。また、東日本大震災による地盤沈下の影響で、大雨時の浸水リスクが広範囲に拡大しました。近年は、短時間の集中豪雨による浸水や土砂災害といった被害が全国的に頻発していることから、迅速な情報収集と初動対応の体制整備が急務となっていました。

 災害時にはリアルタイムで状況を把握し、適切な対策を講じる必要がありますが、従来の情報収集手段は定点カメラや電話、現場職員からの報告に限られており、SNSを活用した情報収集も、情報の精査や信頼性の担保に時間がかかるという課題がありました。

 そんな中で、『Spectee Pro』を知り、AIと人のチェックにより情報の信頼性が担保されている点、必要な情報を集約し地図上で視覚的に確認できる機能、気象情報やカメラ映像を同一画面で確認できる利便性などが導入の決め手となりました。

Spectee Pro 活用例(シーン)

冠水被害時に市内全域の状況をリアルタイムに把握し、効果的な対応を実現

  気象情報をもとに「雪」や「雨」などのキーワードで検索し、災害リスクの高いエリアを特定。降水量や降水継続時間を予測し、除雪や排水対応の準備に役立てています。実際に、2023年9月に市内で46.5mm/hの短時間降雨による冠水が発生した際は、担当課からの通行止め箇所などの情報に加えて、『Spectee Pro』により他の冠水箇所の状況を確認することで市内全域の浸水状況を把握することができました。

被災地支援や防災教育など多面的な活用

 2024年の能登半島地震では、石川県や国土交通省の情報に加え、『Spectee Pro』を活用して被災地の被害状況を把握。救援物資の搬送などのため現地入りする経路の確認や事前準備などに役立てることができました。また、『Spectee Pro』で収集した他の地域の災害事例を教育資料にして、 地域の出前講座で紹介し、住民に災害を「自分ごと」として捉えてもらう取り組みにも活用しています。具体的な事例を共有することで、地域の皆様にも災害リスクや避難の迅速化の重要性を理解いただけて、防災意識の向上につながっていると感じています。

Spectee Pro 導入後の効果

情報収集の効率化と業務負担軽減で防災体制を強化

 導入前は、複数の情報源を用いていたため状況を把握するのに時間がかかっていましたが、『Spectee Pro』により一元化され、迅速な状況把握が可能となり、一台のパソコンで他のシステムにアクセスし、複数の情報を表示しながら資料作成を行う作業も効率化されました。音声読み上げ機能を活用することで、常時監視せずに他業務と並行して対応できる点も大きな利点と感じています。

 また、雨雲レーダーだけではわからない雨の強さと降り方などもSNSの投稿で確認でき、予測に活かせる点も非常に助かっています。

今後の展望

行政と住民の連携で災害に強い地域づくり

 平成25年の災害対策基本法により、自助と共助に関する規定が追加され、市町村内の一部の地区の住民や事業者が自主的に行う「地区防災計画制度」が新設されました。高齢化や人口減少により、行政の救助がすぐには届かない場面もあるため、住民の皆様自身で地域の防災を考え、主体的に行動いただくことも重要になっています。特に、人口が密集し津波災害のリスクが高い石巻市の沿岸部では、地区ごとの分散避難、要配慮者や避難行動要支援者が自動車で避難できるような手立てを考えるなどの取り組みも進めています。

 災害は自然現象であり、その発生は予測が難しいため、災害予防と災害対応のための情報収集や情報の蓄積を続け、初動対応の迅速化や被害の最小限化を図ることを今後も進めていきたいと考えています。

 

※2025年3月5日掲載

資料ではSpectee Proの特徴や仕組みの他、料金表をまとめております

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