製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービスを提供する株式会社Spectee(東京都千代田区、代表取締役:村上建治郎、読み:スペクティ、以下「Spectee」)は、製造業に従事する経営層とサプライチェーン業務に携わる業務担当者、合計500名を対象に、「サプライチェーン強靭化」に関する調査を実施しました。
近年、自然災害や、テロ・戦争などの地政学的な影響、さらにサイバー攻撃など、全世界でサプライチェーンに影響を与えるリスクが多様化し、増加しています。サプライチェーンの途絶によって、製品やサービスの供給がストップし、企業にとって事業の継続が危ぶまれる事態に直面する可能性があります。
こうしたさまざまなリスクに対して対応するためには、日頃からサプライチェーンを可視化・把握し、レジリエントなサプライチェーン体制を構築することが不可欠です。
<調査結果ハイライト>
●約半数がサプライヤー情報の管理に「Excel」を利用と回答
●サプライヤー管理の課題は「効率化」「可視化」「情報のこまめな更新」
●サプライチェーンを強化したい項目は「経営層」と「現場社員」で認識の違いが浮き彫りに
●約25%が過去に自然災害で1億円以上の損害があったと回答
●約半数が現在の強靭化対策は十分だとは思わないと回答
<調査概要>
調査名称:サプライチェーン強靭化に関する調査
調査方法:インターネット調査(調査会社:株式会社クロス・マーケティング)
調査期間:2024年11月1日(金)〜11月5日(火)
調査対象者:従業員500人以上の製造業に務める経営層50人、サプライチェーン業務に関与・または興味のある社員450人
【調査元】株式会社Spectee(https://spectee.co.jp/)
■約半数がサプライヤー情報の管理に「Excel」を利用と回答
はじめに、「サプライヤー情報の管理について、普段どのようなツールを使用して行っていますか?(複数回答可)」と質問したところ、「Excel、スプレッドシートなどの表計算ソフト(48.8%)」と回答した人が最も多くなり、約半数が表計算ソフトを活用している状況が分かりました。
また、「特にツールを使用していない」と回答した割合も2割(20.8%)となりました。サプライヤー情報の管理について、やはり「人手頼り」となっている状況があると推測されます。
■サプライヤー管理の課題は「効率化」「可視化」「情報のこまめな更新」
次に、「Q1で回答したツールを活用する中での課題はなんですか?(複数回答可)」と質問したところ、「手作業が多く、非効率になりがち(34.6%)」と回答した方が最も多く、次いで「データやプロセスの可視化がしにくい(27%)」「情報を更新できず、常に最新の状態に保つことが難しい(26.8%)」と続きました。
効率化や可視化を課題とする回答は、「Excel」などの表計算ソフトを使用する方が約半数となる状況を表しているとも言えます。
サプライチェーンの途絶を招くような自然災害やインシデントが生じた際、表計算ソフトで管理していたのでは、サプライチェーンのどの部分にインパクトがあり、結果的にどの部材・完成品にその影響が及ぶのかを即時に把握するのは大変困難です。サプライチェーン管理の実態において、リスク事象発生をリアルタイムで覚知し、その影響範囲を迅速に特定、的確なアクションにつなげるということを実現できている企業は多くはないと推測できます。
また、ツール別での課題を見てみると、「表計算ソフト」や「ソフトウェア」を活用している人は「非効率になりがち」と回答した方が最も多く、「外注」を選んだ方は「コスト」や「開発・メンテナンス」に課題があると答えた方が多くなりました。
■サプライチェーンを強化したい項目は経営層と現場社員で認識の違いが浮き彫りに
次に、「サプライチェーンマネジメントについて、あなたが今後最も重点的に強化したいと考えている項目はなんですか?」と質問したところ、経営層は「リスク管理(42%)」と回答した方が最も多く、一方で、係長・主任・一般社員は「自動化(27.4%)」が1位となり、それぞれのレイヤーによって重点項目に違いがあることが分かります。
現場に近い層と経営層における、サプライチェーンマネジメントにおけるギャップが浮き彫りになり、サプライチェーンの強靭化を進めるためには、こうした異なる視点を共有し、会社全体での認識を統一することが重要といえます。
■約25%が過去に自然災害で1億円以上の損害があったと回答
こうした中、経営層・部長クラスに対し、「リスク事象(自然災害・感染症・事故・地政学リスク・サイバー攻撃・サプライヤーの倒産)によって、過去にあなたのお勤め先が受けたサプライチェーンの被害額は、それぞれどの程度でしたか?」と質問したところ、自然災害によって被害を受けた方が最も多く、「10億円以上の被害を受けた」と回答した方は10.9%となり、「1億円以上の被害を受けた」と回答した方は合計で約25%となりました。
今後、南海トラフ地震や首都直下地震、気候変動による豪雨などのリスクが高まる中で、自然災害への対策は日本企業のサプライチェーン強靭化において急務になりそうです。
■約半数が現在の強靭化対策は十分だとは思わないと回答
最後に、「サプライチェーン強靭化に対してあなたのお勤め先では下記の対策はされていますか?また、それぞれの対策は十分だと思いますか?」と質問したところ、すべての項目において「対策はしているが十分だと思わない」と回答した方が最多となりました。
およそ半数が「強靭化対策は十分ではない」と感じている現状が浮き彫りになっています。中でも「サプライチェーン可視化情報基盤の整備」については、対策未実施の企業も多く、リスクへの迅速な対応や効率的な情報管理の面で課題が残っています。
■まとめ・解説(Spectee 取締役COO 根来 諭より)
自然災害の多発や地政学リスクの高まりにより、サプライチェーン途絶のリスクが高まっている中で、現状の管理手法では不十分で、サプライチェーンを強靭化しなければならないという意識が広く共有されていることがうかがえます。しかし、経営層では「リスク管理」を重点課題と挙げている一方、現場は「自動化」を挙げており、意識の乖離が見られます。サプライチェーンの強靭化を実現するには、冗長化など時にはコストアップにつながる施策を打つ必要があり、現場に任せるのではなく経営層がコミットして取り組むことが重要だと考えます。
■サプライチェーンの危機を可視化する「Spectee SCR」
『Spectee SCR』は、サプライチェーンに影響を与えるあらゆる危機を瞬時に可視化するサプライチェーンリスクマネジメントプラットフォームです。
SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報などさまざまな情報をもとに、インシデント発生によるサプライヤー周辺で起こる危機をリアルタイムに覚知し、お客様のサプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。
①全世界のインシデント発生を即時に覚知
自然災害、事故、地政学リスクなど、世界中で発生するさまざまな危機を、SNS・気象データ・警報・全世界のローカルニュース・港湾や空港等の情報をもとにリアルタイムで覚知し、お客様のサプライチェーンに関わる危機を把握できます。
②サプライヤーのつながりを把握できるマップ&ツリー機能
各サプライヤーの拠点情報や取り扱う製品・部品について、N次の階層ごとに、つながりをマップやツリー表示などで把握。発生するインシデントと、拠点や製品情報を自動で紐づけてリスクを可視化します。
③サプライヤーの被害や生産への影響を自動収集
インシデント発生時に自動的にサプライヤーの被害状況を収集。納期への影響など、起こりうるリスクを自動分析。取引先からの報告情報をスピーディに取りまとめて事業影響レベルを見極め、初動対応の意思決定を迅速化します。
『Spectee SCR』サービスサイト(サービス詳細やお問い合わせはこちら)
https://spectee.co.jp/service/specteescr/
株式会社Spectee
「”危機”を可視化する」をミッションに、SNSや気象データ、カーナビ情報、道路・河川カメラなどのデータから災害やリスク情報を解析し、被害状況の可視化や予測を行っています。
AIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』は、世界で発生する災害や危機を、迅速に収集、可視化、予測することができ、災害対応や危機管理などを目的に、全国の自治体、報道機関、インフラ会社、メーカー、物流、商社などに導入いただいています。契約数は2024年7月に1000を突破しました。
また、製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービス『Spectee Supply Chain Resilience』は、サプライチェーンを見える化するとともに、サプライヤー周辺で起こる危機を瞬時に覚知し、被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。
<会社概要>
本社:〒102-0076 東京都千代田区五番町 12-3 五番町YSビル 3階
代表者:代表取締役 CEO 村上 建治郎
設立:2011年11月11日
公式サイト:https://spectee.co.jp
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