もうひとつは、「移動を必要としないテクノロジーが発展する」というベクトル。自動運転のタクシーやドローンによる配達など、これまでヒトやモノが動くときに発生した接触がゼロになる、という例もありますが、現在新型コロナウイルスにより利用が爆発的に増えているZoom、WebEx、Teamsなどが発展する形で、「移動して集まらなくても、あたかも直接会っているかのようにコミュニケーションができる」手段が発達することも考えられます。一例を挙げると、argodesignという米国とオランダに拠点を持つデザインファームが発表したコンセプト「Square」。フレームの四隅にカメラが搭載され、3Dのイメージを作り出すことにより、あたかも同僚が窓越しにそこにいるかのようにコミュニケーションができるというものです。
今後も人と人が直接会う、ということの価値が減ずることはないと思われます。「移動のテクノロジー」と「移動を要しないためのテクノロジー」が両輪で発達していくことによって、感染症に強い社会が築かれていくのではないでしょうか。
(根来 諭)
May 5, 2020
参考情報
疫病の世界史
https://www.teikokushoin.co.jp/journals/history_world/pdf/200401/history_world200401-01-04.pdf
国連「International Tourism Highlights 2019 Edition」
https://www.e-unwto.org/doi/pdf/10.18111/9789284421152
Global Space / Time Convergence: Days Required to Circumnavigate the Globe
https://transportgeography.org/?page_id=462
Move over, Zoom. This magic interface is the future of videoconferencing (Fast Company)
https://www.fastcompany.com/90498000/move-over-zoom-this-magic-interface-is-the-future-of-videoconferencing
『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DNMG8Q2