SNSに見る2021年10月7日首都圏地震被害
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2021年10月7日午後10時41分ごろ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生し、首都圏では最大震度5強の揺れがありました。東京23区内で震度5強を記録したのは2011年3月11日の東日本大震災以来、実に10年ぶり。首都圏で51名の負傷者が確認されています。
帰宅ラッシュの時間から外れましたが、多くの帰宅困難者でタクシー乗り場が混雑し、駅では停電が起きるなど大きな混乱が発生しました。復旧にも時間がかかっており、10月8日朝の通勤時間帯にも混乱が続きました。また、日暮里・舎人ライナーが舎人公園駅近くで脱輪を起こし、乗客3名が負傷。高架を走る部分での事故に、乗客の方々はかなりの恐怖感を感じられたのではないでしょうか。
下記はスペクティが覚知した地震の被害のうち、主だったものを抜粋して地図にプロットしたものになります。他にも電柱が傾いたり、スーパーマーケットで消火剤が自動でまかれて売り場が泡まみれになる、店舗で商品棚がが将棋倒しになるなど様々な被害が起きています。今回、非常に目立ったのが水道管の破損によって水が噴出してしまう事象です。東京都内の北東部の足立区からから南西部の世田谷区・大田区にに至るまで広く発生しており、この地図から外れたところでは、埼玉県の越谷レイクタウンや千葉県市原市の大坪橋、千葉県船橋市の東武線・馬込沢駅付近でも同様に発生しています。
①墨田区向島4丁目で水道管が破裂②足立区西新井本町2丁目で水道管が破裂
③足立区西新井本町7丁目で水道管が破裂
④北十間川の水道橋で水道管が破裂
⑤足立区入谷3丁目で水道管が破裂
⑥葛飾区高砂2丁目で水道管が破裂
⑦世田谷区・駒沢陸橋付近で水道管が破裂
⑧世田谷区桜3丁目で水道管が破裂
⑨品川区東大井5丁目の商業施設でエレベーター閉じ込め
⑩台東区上野5丁目でビル外壁破損
⑪京急品川駅で照明破損
⑫JR品川駅で停電
⑬世田谷区用賀3丁目で水道管が破裂
⑭表参道駅付近で水道管が破裂
⑮千代田区永田町1丁目で水道管が破裂
⑯日暮里・舎人ライナーが舎人公園駅付近で脱輪
日本の水道普及率は97%、言わずもがな生活や経済活動に欠かせないライフラインとなっています。約257万戸で断水が発生した東日本大震災、約45万戸で断水した熊本地震などを教訓に、国や地方自治体は耐震化を進めています。しかし当然予算の制約もあり、令和2年3月末現在で、基幹管路の耐震適合率が40.9%、浄水施設の耐震化率32.6%など、十分に対策が進んでいるとは言い難い状況です。
東京都について言うと、配水管の延長は実に約27,000kmに及び、耐震化については外部衝撃に弱い高級鋳鉄管など強度の高いダクタイル鋳鉄管への更新が99.9%が完了しています。残る取替困難な部分も2026年度までには解消していく計画となっています。また、管路の耐震継手率は依然45%にとどまっており、首都直下地震の被害想定で優先順位が高い地域から重点的に交換を進める方針となっています。
今回の地震がマグニチュード6.1規模でした。一方、30年以内に70%の確率で起こるとされる「首都直下地震」は、都心南部直下を震源にマグニチュード7.0程度が想定されています。昨日の地震は、いわば「首都直下地震」のひと回り、ふた回り小さいものだったと言えるでしょう。今回実際に発生したライフラインや交通インフラへの被害をもとに、備えを加速させる必要があります。
SNSから被害状況を瞬時に可視化!信頼できる危機管理情報サービス
スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/feature/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。
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(根来 諭)
October 08, 2021