【速報】SNSに見る、雪による車の立ち往生発生

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日本列島がこの冬一番の、そして記録的にも非常に強い寒波に襲われています。

1月24日から積雪や猛吹雪による交通機関の乱れが目立っています。1月25日の朝には、北海道から九州のほぼ全域で最低気温0℃未満の冬日を記録し、雪の影響で線路の分岐器が故障するなどして電車が立ち往生、乗客が長時間に渡って車両に閉じ込められてしまうケースが発生しています。

また、毎年数多く発生する車の立ち往生は、規模の大小はあれ、物流がストップして生活物資の供給が滞ってしまう他、車内に閉じ込められた方の生命にも危険が及んでしまいます。本レポートでは、SNSのデータから、車の立ち往生の発生状況を可視化してみたいと思います。

下記グラフは、1月24日の9時から1月25日の21時までに、弊社スペクティが覚知して配信した、車の立ち往生についてのSNS投稿の数を表しています(あくまで投稿数であり、発生件数や立ち往生の規模をあらわすものではありません)。1月24日の午後に各地で天気が急変し、18時以降に日が落ちて気温が下がったあたりから投稿が急増していることがわかります。また、深夜になっても数が全く落ちず、動けないままに社内で夜を過ごした方が多かったことが推測されます。

続いて1月25日の昼のは一旦落ち着くものの、気温が落ちていくとともに配信数が多くなっていることが見て取れます。

次に、下のグラフ・地図は、都道府県別の配信数をあらわしています。北海道から鹿児島県まで、これほど広範囲に車の立ち往生が発生することは非常に稀と言えます。また、立ち往生が毎年多く発生する北海道・北陸といった地域での配信数が少ない一方、滋賀県や京都府といった近畿地方に集中していることが注目に値します。北海道・北陸は事前の呼びかけによって、スタッドレスタイヤやチェーンを準備するなどの警戒がなされた一方、普段あまり立ち往生の発生しない近畿の各府県では対策が十分ではなかった可能性があります。

京都ではJR京都線、滋賀県ではJR琵琶湖線など鉄道が立ち往生してしまうケースも発生しました。坂の多い長崎県でも、配信数は多くないながら最大約100台が動けなくなるような大規模な立ち往生が起きています。こうした地域はインフラとしてもここまでの寒波を想定していないのではないでしょうか。

最後に、SNSに投稿された動画像をご紹介したいと思います。寒波による被害が最小限に済むよう、そして混乱が早期におさまるよう祈念いたします。



京都府の三条大橋交差点付近でバスが立ち往生




長崎県で、チェーンをつけていないバスが動けなくなっている様子




滋賀県の名神高速、深夜に下り線が完全にストップしています




兵庫県の明姫幹線でも、トラックやタンクローリーが立ち往生の渋滞で動けなくなっています




鹿児島県・鹿児島市の陸橋での立ち往生の様子



(根来 諭)
January 25, 2023


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