アジア太平洋防災閣僚会議(APMCDRR)2024に参加して
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スペクティは、国連防災機関(UNDRR)のご招待を受け、2024年10月14日(月)から18日(金)にかけてフィリピン・マニラのフィリピン国際会議場にて開催されたAPMCDRRに参加しました。 この会議は、国際的な防災枠組みである「仙台防災枠組2015-2030」のアジア太平洋における実施状況をモニタリング・検討し、協力を強化するためのプラットフォームであり、政府機関、国際機関、研究者、民間企業の関係者が集まり、災害リスクの軽減に向けた取り組みを加速させることを目的に多くのプログラムやイベントが開催されました。このレポートでは本会議の様子についてお伝えしたいと思います。
会場となったフィリピン国際会議場はこのようなところでした。1970年代に建てられた、非常に大きく歴史のある会議場です。色々なイベントに飛び回ると疲れてしまうほどに広いですが、東南アジアの国らしく冷房は強く効いていて、ジャケットは必須です!
スペクティは以下2つのイベント/パネルディスカッションに登壇致しました。
「Be Prepared for a Mega Earthquake: The Role of the Public-Private Partnerships on Science and Technology Against Seismic Disasters」
スペクティのフィリピンでの事業推進の取組みを紹介させていただいたあと、JICA国際協力専門員の西川先生のリードで、内閣府防災担当参事官の喜多様、フィリピン最大の企業の一つSM Supermallの安全管理担当副社長、その他国際的防災組織の代表らとともに、地震防災の分野における官民パートナーシップの役割について議論を交わしました。地震にフォーカスしたプログラムは多くないためか、聴衆が多く詰めかけ、制限時間を越えてもまだ十人以上が質問の手を挙げているほどの盛況となりました。
「Intersection of Open Science and Artificial Intelligence in the Context of Disaster Risk Reduction and Resilience」
こちらのパネルディスカッションでは、シンガポール南洋工科大学の地球観測所に勤める准教授、UNESCO(国連教育科学文化機関)のサイエンス担当、フィリピン気象機関の科学者、スウェーデンのKTH Royal Institute of Technologyの地球情報学のディレクターとともに登壇して、オープンサイエンスと人工知能が防災の文脈においてどのように活用されるべきかについて討論しました。AIに対する関心は高く、こちらも時間が足りない白熱したプログラムになりました。
この会議には、災害対策に一義的な責任を負う行政機関の方々や、世界的な取り組みを推進する国際機関・国際NPO/NGOの方が多く参加していますが、我々に限らず民間企業の方々も多く参加されていました。以前から長くAPMCDRRの現場をご存じの方の話では、少し前は参加者は行政やアカデミックの世界の方々に限定されており、民間企業が参加することはできなかったようです。
それが今では大々的に認められているということは、民間企業が持つ技術やソリューションを活用しない手はないという認識が広まっているからではないでしょうか。下は、フィリピン最古の最大のコングロマリットである「Ayala」、リテール市場を押さえる財閥である「SM」、ビールでおなじみの「San Miguel」、フィリピン中部を拠点とする「Aboitiz」など、フィリピンにおける有名大手民間企業の取組みを紹介するブースです。レジリエンスをキーワードに様々な取り組みを進めていることがよくわかります。
下の左の写真は日本チームのブースです。様々な企業がここでプレゼンをかわるがわる行いました。右の写真にはいわゆる太平洋島嶼国からの参加者が写っています。この地域からも沢山の方が参加しており、私個人としては初めてソロモン諸島やフィジーの方々とお話をすることができて嬉しかったです。しかし彼らの国は、海面上昇による国土の水没という危機に瀕しており、自然災害の激甚化・頻発化に悩む我々よりももっと強い危機感を感じてこの場に来ていることを知って胸が痛みました。
真面目な議論ばかりではありません。フィリピンの古くからの文化に根付いているサステナビリティを紹介するブースや、フィリピンの美味しいグルメが楽しめるワゴンブースなども大々的に展開されていました。
参加する前は、政治・行政のリーダーたちが集まる会議で、そのついでにサイドイベントが行われるようなイメージを持っていましたが、広い会場の無数の部屋やスペースで数えきれないほどのプログラムが行われ、実に多様な参加者と交流し、意見交換できるエキサイティングな場であることに驚きました。防災においては様々な立場の組織が協働することが非常に重要であり、このような場があることで相互理解が進み、対策が加速していることは間違いはありません。スペクティは、今後も機会をいただければ是非参加し、国際防災コミュニティに貢献していきたいと考えています。
(根来 諭)
October 23, 2024
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