【速報】SNSに見る、ミャンマー中部地震(M7.7)の甚大な被害

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2025年3月28日15時20分ごろ、ミャンマー中部のマンダレー近郊でマグニチュード7.7の大地震が発生しました。震源の深さは約15kmと浅く、広範囲にわたって大きな揺れが観測されました。この地震によりで多くの犠牲者が出ていますが、いまだ全容は把握できていません。

今回の地震はミャンマー国内を南北に走るザガイン断層を震源に発生しました。この地域は約200年間、大規模な地震が発生していなかった「空白域」とされており、地震エネルギーが蓄積されていた可能性があります。また、ミャンマーは建築物の耐震性が高いとは言えず、特に地方都市や農村部では地震の揺れによって倒壊しやすい構造が多いことが甚大に被害につながったと言えるでしょう。また、現在のミャンマーは軍事政権下での政情不安が続いており、政府の対応は迅速には進んでおらず、被災地ではインフラが機能せずに救助活動が難航しているものと見られます。

ミャンマーには自動車、繊維、食品加工などの分野で進出している日本企業が多く、特にヤンゴンやマンダレーに工場や営業拠点を構えており、地震による物流の混乱や生産停止が続けば、日本企業のサプライチェーンにも影響が及ぶ可能性があります。日本の自動車大手は隣国タイにある工場を一時停止したものの、大きな被害は今のところなく、操業は順次再開されているもようです。しかし広範囲に被害が及んでいることから、間接的にサプライチェーンへの影響が今後出てくる可能性は否めません。

また、今回の地震ではテレビ報道で建設中の高層ビルが崩壊するショッキングな映像が紹介されていた通り、震源から遠く離れたタイの首都・バンコクでも大きな被害が出ました。これは長周期地震動、つまり低い周波数(長周期)の揺れが発生したことで、高層ビルや建築中の建物がこれに共振して大きく揺れたことが原因と指摘されています。また、そもそもバンコクの地盤が軟弱であったことや、地震が多くはないタイの建築基準が日本ほどには厳格ではないことも一因でしょう。いずれにしても、高い建物にいた方々は生きた心地がしなかったでしょう。

最後にスペクティがSNSで確認した被害の様子をご紹介します。救助活動が迅速に進み、より多くの方の人命が救われることを祈ります。

★ミャンマー地震緊急支援募金(Yahoo! JAPANネット募金)


❶震源に近いマンダレーで道路がズタズタになっている。

❷マンダレーにて、大切な信仰の対象であるパゴダが崩落する様子。

❸ザガインにて、複数の建物が崩れている様子。

❹ザガインのワッチェ慈善病院では建物一部が崩落。

❺シャン州アウンバンにて崩落現場と救助活動の様子。

❻シャン州タウンジーのインレー湖では湖上の建物が複数倒壊している。

❼カイン州デモソでは教会が崩落。

❽ネピドー国際空港では管制塔が崩落とのこと。

❾中国・瑞麗市では高層建築物の貯水タンクが損傷を受け、水が人々の上に降り注いだ。

❿タイのチェンラーイ県パーデートでは建設中の駅に損害。

⓫タイのプレー県ムアンプレーでは病院の壁に亀裂が。

⓬タイの首都バンコクにて、高層マンションから水が降り注ぐ。

⓭テレビ報道でも紹介されていた、バンコクでの建設中高層ビルの崩壊。

2025年03月31日 9:40現在

(根来 諭)
March 31, 2025

 

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