2024年は地震が多い?気象庁「震度データベース検索」で調べる
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元日に発生した能登半島地震で始まった2024年。
その後も、2月下旬には千葉県東方沖でまとまった数の地震が発生しました。また、4月3日には台湾東部の花蓮を大きな地震が襲ったり、4月17日には豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震により、愛媛県と高知県で現在の震度階級を導入した1996年以降で初の最大震度6弱を観測したりと、「今年は地震が多いな」と感じている方も多いのではないでしょうか?
気象庁のホームページには震度データベース検索が用意されており、1919年以降の震度1以上を観測した地震のデータを取得することができます。これで実際に地震が多いのかどうかを見てみましょう。
上のグラフは、有感地震(震度1以上の地震)の発生回数を、2014年1月から2024年4月までの月別で表した棒グラフになります。大きな地震が発生すると多くの余震が伴うため、今年の能登半島地震と、震度7を2度記録した2016年の熊本地震のタイミングで数が跳ね上がっていることがわかります。
次に、比較的大きな震度4以上の地震の発生回数を見てみましょう。有感地震に比べると、当然ながら絶対数は大幅に少なくなります。能登半島地震・熊本地震を除くと、ブラックアウトを引き起こした2018年9月の北海道胆振東部地震と、今年の地震の前触れであったのであろう2023年5月頃に観測された能登半島群発地震のタイミングで回数が多くなっています。
上の図は、各年の月別の震度4以上の地震発生回数を視覚化したものになります。しかし、能登半島地震と熊本地震の円が大きく、「2024年の1月~4月の地震発生回数は多かったのか?」が直感的にはわかりません。
ついては、熊本地震で発生した震度4以上の地震の回数117回と、能登半島地震で発生した震度4以上の地震の回数66回を除いた数字で、各年の1月~4月の地震発生回数を比較したものが下の棒グラフです。今年は23回発生していることから、対象期間の中では最も多く起きているものの、2021年や2022年にもそれぞれ21回・22回発生していることから、決して飛びぬけた異常値というわけではないことがわかります。
最後に、「震度データベース検索」を使って、2024年1月~4月に発生した震度4以上の地震の震源を地図上で確認してみます。地図上にも線で表されていますが、日本列島の南東側にはプレートの境目が存在することから、それに沿った海溝型の地震がやはり多くなっています。一方で能登半島地震は、内陸部の地中にあるプレート内部の弱い部分で破壊が起こることで引き起こされる、内陸型(直下型)の地震でした。
2024年、取りたてて多くの地震が発生しているわけではないことが確認できましたが、日本に住んでいる以上、いつどこで地震に襲われるかは本当にわかりません。地震発生のメカニズムは複雑で、現時点の科学のレベルでは予知することは困難です。しかし、能登半島地震や台湾地震などにおける被災状況を知ることで、人々の地震を警戒する意識が強まるのであれば悪い事ばかりではありません。実際に、長期保存できる食品の販売が伸びているという報道もあります。我々にできることは、いつ起こるかわからない地震に対して備えを怠らないことしかありません。
(根来 諭)
May 08, 2024
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