レポート

【速報】SNSに見る、令和5年7月10日の豪雨

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梅雨前線が山陰沖から東北にかけて伸びて日本海側に停滞、そこに暖かく湿った空気が流れ込むことで大気が不安定化し、九州北部から中国地方にかけて記録的な大雨となっています。また、これまでの雨によって地盤が緩んでいることから、土砂災害も多く発生しています。佐賀県の唐津市浜玉町平原では土砂崩れで住宅が倒壊、福岡県添田町庄では住宅が1棟土砂に埋まってしまう事態となっており、救出作業が続いています。下記は9:00時点における気象庁のキキクル(気象庁が発表する危険分布情報で、大雨による土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度の高まりを地図上で確認できるシステム)の画像ですが、広範囲に危険な地域が広がっていることがよくわかります。

(出典:気象庁ホームページ)

時を同じくして、米国ニューヨーク州も記録的な大雨に見舞われており、ひと夏をかけて降る雨量がたった1日で降ってしまい、53百万人もの人がリスクにさらされていると伝えられています。現在インドでも各地で洪水が起きており、また2日前にはスペインのサラゴサでも短時間豪雨によって鉄砲水と呼べるような洪水が発生しています。スペクティでは世界中の災害情報を収集・解析していますが、今年は特に世界各地で大雨や洪水、異常な猛暑などが特に多く観測されていると感じます。

その要因の可能性として挙がるのが「エルニーニョ」現象です。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道地域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけての海面水温が平均より高くなる現象で、世界中に様々な異常気象をもたらすとされています。気象庁は「エルニーニョ現象が発生しているとみられる」「今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い」という内容の発表を2023年6月9日に行っています。

実際にEU(欧州連合)のコペルニクス気候変動サービスの発表によると、2023年6月は各国で記録的な暑さとなり、同月の世界全体の過去最高気温を大幅に更新しました。中国の北京で40℃を超える同月の最高気温を記録したり、メキシコでは100人以上の死者が出たりするなどの「猛暑災害」が発生しています。また、海水温も過去最高を更新し、特に欧州では異常な高温が報告されています。日本でもこの夏は、記録的な豪雨や超大型の台風などの自然災害が発生する可能性が高いと考えられ、いつも以上の警戒と備えが必要です。

以下に弊社スペクティがSNSで確認した本日朝の被害の状況をいくつか地図上にプロットしてみました。まだ災害は現在進行形で続いていますため、くれぐれもご注意の上お過ごしください。末尾となりますが、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。


❶福岡県・朝倉市 増水した水路の水が筑後川に流れ込む様子

❷福岡県・久留米市 筑後川が荒れ狂う様子

❸福岡県・糸島氏の瑞梅寺川があふれそうになっている

❹福岡県・太宰府市で発生した土砂崩れ

❺福岡県・久留米市の高良川で土手が崩落する瞬間

❻福岡県・久留米市の県道746号に土砂が流入している

❼福岡県・太宰府市 住宅地の裏山で土砂崩れ

❽大分県・宇佐市の国道10号が冠水

❾大分県・中津川市の山国川が氾濫

❿大分県・宇佐市で用水路が増水している様子

2023年7月10日 11:40現在

(根来 諭)
July 10, 2023


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