IoT x 5G x AIが変える社会・・・防災/危機管理の未来は

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技術の進化はとどまることを知らず、これから10年、20年で、インターネット出現のインパクトをはるかに超える社会変革が起きるであろうと予想する識者も多くいます。デジタルの時代には、進化は線形的ではなく、指数関数的に起きます。ディープラーニング(人工知能の機械学習分野の技術)が実用化してから数年で、チェスよりはるかに複雑な囲碁において、英国DeepMind社のAlphaGoは世界チャンピオンに勝利しました。また、2010年代の初頭にはほとんど使い物にならないと言ってよかった機械翻訳も、現在ではプロの翻訳家に迫るレベルにまで達しています。不可能と思われていたことが数年後に可能になる・・・そんな未来が想像に難くありません。


社会を変革するテクノロジー

技術の進化は様々な分野で起きていますが、どのような技術、またはその掛け合わせが最も大きなインパクトを持つでしょうか。それはIoT(モノのインターネット)、5G通信網、AI(人工知能)の3つだと考えます。 IoT x 5G x AIの社会、それは無数のデバイスからデータを取得することができ、それを超高速で伝達し、AIで解析することによって、リアルタイムでデバイスを制御することができる社会です。

IoT x 5G x AIの社会ではどのような変化が起きるでしょうか。製造現場では、部材の管理や運搬、生産工程そのもの、そして前後のサプライチェーンまでが、リアルタイムでやりとりされるデジタルデータによって制御され、最高度に効率化されたオペレーションが実現するでしょう。医療の世界では、医師による画像診断は過去に蓄積された膨大なデータから人工知能が補助するでしょうし、ロボットを介して遠隔地の人に精密な手技を必要とする手術を行うことができるようになるでしょう。交通については、現在自動運転の実現に向けた開発競争が熾烈を極めていますが、IoT x 5G x AI自体が自動運転を実現するために必要なインフラであると同時に、自動車もセンサーの塊となり、交通の状況、周囲の映像、路面の状態などのデータを取得でき、それが様々な用途に利用されることになるでしょう。


激増するデータ量

大量のデータがやりとりされる社会。では具体的にデータの流通量はどれだけ増えるのでしょうか。

上図はIT専門の調査会社であるIDCによる予測になります。2020年時点では約50ゼタバイト(=約50兆ギガバイト)だったデータ流通量は、たった5年後の2025年には約175ゼタバイトまで増加すると見込まれています。

次に、IoT機器に絞って見てみます。上図は、世界におけるIoT機器の設置台数の予測、及び、IoT機器が生成するデータ量の予測になります。2025年時点で、約416億台の機器が設置・使用され、79ゼタバイトのデータを生み出すと予測されています。


防災/危機管理の未来「サイバー・フィジカル・システム」

自然災害の多発化・激甚化、先進国における社会の分断や各地でくすぶる軍事的脅威、気候危機やパンデミックといったグローバル規模の問題・・・防災/危機管理の世界において課題は山積しており、IoT x 5G x AIにより大きく進化させることが期待される領域と言えます。

進化した防災/危機管理はどのような姿になるでしょうか?そのために鍵となる概念が「サイバー・フィジカル・システム」です。これは現実世界の膨大なデータを、数値化してサイバー空間に取り込み、コンピューティングパワーによる分析や解析を行った上で、それを現実世界にフィードバックし、最適な結果を導き出すシステムのことを指します。この概念自体は決して新しいものではありませんが、デジタル技術が進展し、概念を現実化する環境が整ってきた、と言うことができると思います。

サイバー・フィジカル・システムのもとでは、MaaSの進展とともにセンサーの塊となった自動車や、自動運転のためのセンサーや防犯カメラ、5Gの基地局を組み込んだスマートポール、各地に設置されたカメラの動画や計測データ、また個人が持つウェアラデバイスからのデータ、衛星からの画像や膨大な気象データなど、現実世界の状態をあらわすあらゆるデータがサイバー空間に吸い上げられ、そこで解析された結果が現実世界にフィードバックされます。例えば、気象の予測データと過去の水害データから洪水発生の予測をし、洪水が起こるであろう場所に向かう自動運転自動車のルートを変更する、洪水発生のアラートを個人のスマートウォッチに送ると同時に、収容する余裕のある避難所に避難誘導する、などといった防災・減災や危機回避のための主動的なアクションにつなげることができるようになるでしょう。



スペクティはこうした未来の実現に向けて、防災/危機管理のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推し進めるべく、自社のプロダクト・サービス開発と併せて様々なデータホルダーの皆様との連携を始めております。ご興味のある会社様は是非お声がけください。防災/危機管理に全社を挙げてコミットするスペクティは、あらゆる危機から人々を守れるよう一歩一歩進んでまいります。



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(根来 諭)
November 11, 2020

参考情報

5Gとは?そして防災/危機管理分野への活用について(スペクティ、2020年5月10日)
https://spectee.co.jp/report/5g_and_disaster_crisis_management/

エクスポネンシャル思考 齋藤 和紀
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