【速報】SNSに見る、モロッコM6.8の地震

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9月8日、アフリカ大陸北西部の国・モロッコをマグニチュード6.8の地震が襲いました。この地震がどの程度の揺れをもたらしたのかがわかるSNS投稿を2つご紹介します。マラケシュの地震発生時の様子です。

モロッコは、古都マラケシュ、迷路の街フェズ、青の街シャウエンや雄大なサハラ砂漠など豊富な観光資源を誇り、日本人の旅行先としても人気のある国です。今回の地震の震源は、最も人気の高い観光地とも言えるマラケシュから南西におよそ70kmほど離れた地点でした。左の図はUSGS(アメリカ地質調査所)の発表による震度分布図で、★印の震源がアトラス山脈に属する山の中にあること、そして大きく揺れたエリアが震源を中心に北に広がっていることがわかります。

モロッコの位置する地域は、ユーラシアプレートとアフリカプレートの2枚のプレートの境界が存在することから地震が起こり得る地域ではあるものの、大きな地震が頻発する場所ではありません。USGSによると、今回の震源地の周囲500キロ以内の地域で、1900年以降にマグニチュード5以上の地震が9回ありましたが、これまでマグニチュード6を超える地震を観測したことはなかったとのことです。地震がそれほど活発に起きない地域では、どうしても耐震化の対策が遅れる傾向になります。

特に山間部では、土と石を固めて作ったような耐震性が著しく低い住宅が多いため、相当数の家屋が倒壊したり、激しく損壊することで居住が不可能になったりと甚大な被害が出ており、現時点で2,000名を超える死者が確認されています。現場の状況が明らかになるにつれてさらにその数が増加してしまう可能が高いと思われます。さらに、救助活動は土砂崩れなどで道路が寸断されているためにはかどっていないとのことです。現在、受け入れ能力にも限りがあることから、アラブ首長国連邦・カタール・スペイン・英国の4カ国に限って救助隊が駆けつけて作業にあたっているものの、救命率がグッと下がってしまう「発生後72時間」が迫っています。一人でも多くの方が助かることを祈っております。

以下に、弊社スペクティがSNSで確認した現地の状況を地図とともに共有させていただきます。


❶マラケシュとその周囲を空からとらえた動画

❷アルハウズ県のタラ・ニアアクーブという街

❸ツブカル山にある集落で建物がのきなみ倒壊

❹マラケシュ=サフィ地方のアダシユという村

❺アトラス山脈を南に越えたスス・マサ地方のタルーダントという村

❻アンリルという山間の村

❼アルハウズ県のウカイメイデンでパニックが起きている様子

2023年9月11日 15:55現在

(根来 諭)
September 11, 2023

 

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