コラム

「可視化」が鍵を握るポスト・コロナのサプライチェーン


新型コロナウイルスの世界的な大流行、この「危機」の特異性は、影響を受ける地域の広さ継続する期間の長さと言えます。日本企業はこれまでも多くの地震や、SARSなど感染症の流行を経験しましたが、その影響範囲は限定されており、局地的・短期的な対応をすることで難局を切り抜け、そのたびに事業継続計画(BCP)を進化させてきました。しかし、新型コロナウイルスは世界同時かつ長期間に及ぶ影響を与えており、我々はこれまでの考え方の刷新を迫られていると言えます。

本コラムでは、経済のグローバル化に伴い多くの企業が世界規模で構築してきたサプライチェーンについて、ポスト・コロナを見据えてどう考え直すべきか考察しました。


今後のサプライチェーンマネジメントに必要な3つの要素

製造業各社は、サプライチェーンの最適化・効率化で無駄を削ることに長年努力してきました。特に、工程間の仕掛在庫を最小にするトヨタの「かんばん方式」に代表されるリーンな(無駄のない・効率的な)生産方式は「必要なものを、必要な時に、必要なだけ作る」ことを理想として、日本の製造業の間で広く取り入れられている考えと言えます。在庫が増えるとその保管にコストがかかることに加え、企業のパフォーマンスを測る指標であるキャッシュフローを悪化させます。この観点から見ると「在庫は悪」なのですが、リーンであること(=贅肉の無いこと)は裏を返すと何か異常事態が起きた際のバッファがないということになります。

ではどのように対応すればいいのでしょうか?戦略在庫を沢山持つ、というのは一つの解となりますが、保管コスト増・キャッシュフロー悪化とのトレードオフになりますし、そもそも保管のきかない商品もあります。コストを削減して利益を増やすためには、リーンであることはやはり非常に価値が高いと言えます。一方で、有事に備えて「アジャイルであること=機動性があること」「レジリエンス=回復力」の2つを付加することが大切になります。何か災害が起きた、感染症の流行が発生したという際に、どこがボトムネックになっているのかがすぐに分かれば、代替生産先の確保などに機動力を持って動くことができ、その結果ダメージを最小限に食い止めて回復することができます。そのために必要なものは「サプライチェーンの可視化」です。

可視化の進め方

現代のサプライチェーンは非常に複雑化・多層化しているため、これを整理して見ることができるようにすることは簡単ではありません。一つに、ティア1、ティア2、ティア3・・・と階層が多くある業界では、原材料まで遡っていくことは困難な場合があります。また、グローバルな調達を行っている場合、間に商社などが入ることでその先のサプライヤーが見えづらいこともあるでしょう。また、東日本大震災の際の研究(※)でわかったのはサプライチェーンの形は、完成品メーカーの下に特定のサプライヤーたちがぶら下がっている「ピラミッド型」ではなく、一つのサプライヤーが別の系列にも供給する「ダイヤモンド型」だという事でした。全てのサプライヤーが自社の傘の下にいるわけではないということは全容理解を難しくします。

こうした困難は伴いますが、まず第一にすべきは自社のサプライチェーンのブラックボックスになっている部分を可視化することです。次に、どこにリスクがあるのかを明確化し、そのリスクが顕在化した際の取るべきアクションを決定しておくことで、迅速にリカバリーすることができます。このプロセスは通常のBCPそのものですが、サプライチェーンの可視化を徹底した上で計画を策定することで、想定外の状況に陥ることを防ぎ、必要となる「機動性」と「回復力」を確保することができます。

サプライチェーンの可視化では、スペクティが本年1月に事業提携した株式会社Resilire(旧Tech Design)が開発中のサービス「Resilire(レジリア)」がまさにこの課題を解消しようとするソリューションであり、注目に値します。

スペクティ、防災ITベンチャーTech Designと事業提携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000016808.html

また、発災時の状況把握については進化を続ける当社のリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/service/spectee/)がお役に立てると思います。

サプライチェーンのマネジメントは奥が深く、サプライチェーンの構造を考慮に入れた上での部材選びと商品設計など上流からのアプローチや、会社の垣根をこえた業界共助による部品の共通化など、危機管理に対するアプローチもひとつではありません。しかし、まずはできる限りの可視化を行うがことが大切であるということを本稿ではお伝えさせていただきました。また、サプライチェーンマネジメントの進化を支える新しいテクノロジーもどんどん登場しており、追って別稿にて紹介させていただきます。




信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!

スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.co.jp/service/spectee/)は、多くの官公庁・自治体、民間企業、報道機関で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

(リアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』)


(SN)
March 24 , 2021

参考情報

(※)日本型サプライチェーンをどう評価すべきか(みずほ総研)
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/argument/mron1109-1.pdf

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