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報道に接していて気づかれた方も多いかと思いますが、このところ日本全国で爆破予告事件が相次いでいます。9月の末だけでも、下記に挙げた件を含み、教育機関や行政機関を対象にした多数の爆破予告や襲撃予告がありました。


◆熱海の小中学校(9月25日)
https://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/813642.html

◆獨協大学(9月28日)
https://www.dokkyo.ac.jp/information/2020/20200928003828.html

◆大阪府四条畷市および市内学校(9月29日)
https://www.city.shijonawate.lg.jp/soshiki/4/23970.html


そこで、SNSの解析を行っているスペクティでは、この1年間にSNS上で覚知した爆破予告をグラフ化することで、傾向を可視化してみました。


まず、下記グラフは2019年10月1日から2020年9月30日の1年間の爆破予告覚知件数を、予告対象ごとに分けて表しています。ご覧の通り2020年5月までは月に10件以下でしたが、2020年6月を境に急増し、特に9月はなんと60件を超す爆破予告を覚知しました。「複数対象」となっているものは、例えば「県内すべての学校と役所を爆破する」などのように、特定施設を指定しないもので、9月には22件覚知しました。



次は、対象として最も多かった「教育機関」の内訳を表したものです。総件数85件の内、実に69%を占める59件が「大学」を対象としたものでした。ちなみに「複数の学校」というのは、「市内の小中学校全て」というような予告のケースをカウントしています。



これらグラフを見て、断定することはできませんが、やはり新型コロナウイルスによるストレスが、爆破予告の急増に何らかの影響を及ぼしているのではないかと想像します。特に、多くの大学はオンライン授業に移行せざるをえず、とりわけ新入生は友達を作る間もなく自粛生活に入ってしまったことからつらい思いをされている方が多いと聞きます。そうしたストレスが大学を対象とした爆破予告につながってしまっているとしたら、とても悲しい事です。

次に、急増後の直近3か月に発生した爆破予告を、日本地図上にプロットしたものが下記になります。特定の地方や都道府県に集中しているわけではなく、全国的な現象であることがうかがえます。



都道府県別にの件数を見ると、教育機関に対する13件を含む17件があった大阪府の数字がやや突出して見えますが、100万人あたりの爆破予告の件数で見てみると、大阪府は10位。比較的人口が少ないながらも6件の予告があった島根県が最も多いという結果になりました。



言うまでもなく爆破予告は大変悪質な行為であり、学校の授業や行政機関の業務を妨害するという点で「威力業務妨害罪」、その中で個人に対して危害を加えることを示唆していれば「脅迫罪」、予告とともに何らかの要求があれば「強要罪・恐喝罪」に該当し、懲役刑や罰金刑が定められています。これら刑事罰に加えて、民事上の損害賠償を請求されることも考えられます。一時の気晴らしや楽しみのためにこのような行為に手を染めるのは、あまりに割に合わないと言わざるを得ません。

学校や行政機関、企業などの危機管理担当の対応としては、全ての「危機」に対して言えることですが、事態を想定して発生時に誰が責任をもち判断をするのか、その判断のポイントは何なのか、そして情報をどう伝えるのかについて事前に危機管理マニュアルとして策定しておくことが大切になります。例えば滋賀県では学校に対する爆破予告時における対応フローやチェックリストを例示しており、また実際の学校を例にとると、千葉県立安房高等学校はこのようなマニュアルを作成されています。


(SN)
October 5, 2020


参考情報

学校安全について(滋賀県教育委員会)
https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/school/hokentaiiku/anzenkyusyoku/anzen/309318.html

生徒の安全確保に関する緊急対応マニュアル(千葉県立安房高等学校)
https://cms2.chiba-c.ed.jp/awakou/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E9%85%8D%E5%B8%83%E7%89%A9-1/?action=common_download_main&upload_id=13320

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