ページトップ

2020年11 月24日に発表した通り、スペクティは日本気象協会と福井県とともに、AIによって路面の状態をリアルタイムに判別する実証実験を開始しました。

AIによる「路面状態判別技術」の実証実験を福井県にて開始
スペクティ、日本気象協会、福井県による共同実験 ~ 道路の安全や防災対応に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000016808.html?fbclid=IwAR1iC0KNvuxN4Rsied8f_JwOMtkDtZoYFRLhQb8lt100bzlva3PgekKqpoU

寒冷地域における課題は

日本の国土面積の約60%は積雪寒冷地域で、規模の大小はあるものの、冬季における雪害は非常に一般的です。積雪や路面の凍結は交通事故を引き起こす大きな誘因であり、道路管理においては路面状況を正しく見極めた上で、住民へ適切な情報をタイムリーに伝えること、そして凍結防止剤の散布や除雪作業を効率的に行うことが鍵となります。しかし従来の定点設置された計測器での観測では限界があり、また、職員がパトロールして路面状況を確認するのでは、情報伝達が遅くなってしまいますし、職員自身が事故に巻き込まれるリスクも小さくありません。

このような課題背景のもと、スペクティは日本気象協会と共同開発したAIによる「路面状態判別技術」を福井県内にあるカメラに応用し、精度検証を行います。現在でも既に精度は90%以上と実用レベルに達していると言えますが、実証実験の中でさらに高めていく計画です。

使われているテクノロジー

上述のAIによる「路面状態判別技術」とはどのような技術なのでしょうか?ここでは機械学習、特にディープラーニングという技術が使用されています。機械学習とは、人工知能に「学習データ」と呼ばれるデータを与え、それを学習することによって”特徴”をつかみ、モデル化(法則化)するものです。そのモデルを使えば、特徴が一致するものを見極めることができるようになるのです。

ディープラーニングとは、そうした機械学習の中におけるひとつの分野です。従来の機械学習では、人間が特徴を定義しなければいけなかったのですが、ディープラーニングでは人工知能自体が学習データから特徴を自動的に抽出します。


これにより人間が気づけないような複雑な特徴を見つけ出して、推論モデルを作ることができるようになりました。仕組みとしては、人間の脳の神経細胞(ニューロン)の仕組みを模した”ニューラルネットワーク”を計算機上に作り、そのネットワークに学習をさせます。紙幅の関係上、詳細を説明することは難しいですが、Y=AX+Bという計算しかできない計算機を、沢山集めて伝言ゲームのように次に結果を伝えていく、小さな計算機のかたまりをイメージしてください。



路面は、降水・降雪の有無や気温によって、乾燥した状態、湿った状態、シャーベット状の雪に覆われた状態、凍結した状態、積雪した状態など様々に変化します。スペクティと日本気象協会が共同開発したAIは、これらの状態を見分けられる推論モデルを備えており、また実証実験を通じて多くの路面を判定することでさらに精度を上げていくことができるのです。

MaaSにおける発展性

この「路面状態判別技術」を応用できる局面は、冬季の道路管理だけにとどまりません。

MaaS(マース)という言葉を最近よく耳にすると思います。現在世界的に研究や開発競争が進んでいるモビリティ・アズ・ア・サービス(Mobility as a Service)の略です。その意味するところは「サービスとしての移動」、つまりこれまでのように人々が自動車など移動のためのツールを買って自ら運転して移動するのではなく、移動の需要に最適化された手段がその都度サービスとして提供されるものです。アプリで移動したい先を打ち込めば、自動運転車、電車、カーシェア、レンタサイクルなどその時点でその人に最適な方法が提示され、アプリ上で交通費の精算まで済んでしまうというような世界をイメージしてください。

そのMaaSの世界で非常に重要な要素が、米国テスラ社が開発・実用化をリードする「自動運転」です。自動車は行き先を入力すれば、文字通り自動で乗客を運んで行ってくれ、人々が運転する必要はなくなります。交通量は全体で最適化されて渋滞ははるかに減り、日本だけで依然年間3,000人以上が亡くなっている交通事故も劇的に減少するでしょう。

そして、自動運転を実現するのに欠かせない要素技術のひとつが「路面状態判別技術」です。自動運転で何より重要なのが、「自車及び周囲がどのような状況にあるのかを把握する」ことで、MaaS時代の車はカメラやあらゆるセンサー、レーダー装置などの塊となると考えられます。また、自動運転を実現させるために街中に設置されるスマートポールにもカメラやセンサーが内蔵され、道路状況がリアルタイムで把握されるようになるでしょう。自動運転に必要な「路面の状態」という情報を取得するための「路面状態判別技術」は、MaaS時代にこそ真価を発揮するものと言えるでしょう。


スペクティは防災・危機管理の分野に特化した企業ですが、防災・危機管理の要諦も、自動運転と同じく「どのような状況にあるのか把握する」ことにあります。その上でなければ、適切なアクションを意思決定したり、未来の予測を行うことはできないからです。今回の実証実験を通じて技術に磨きをかけ、人々が安全・快適に移動できるMaaS時代の実現にも貢献していきたいと考えています。


(SN)
December 08, 2020


信頼できる危機管理情報サービスとして続々導入決定!

スペクティが提供するリアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』(https://spectee.biz/)は、国内350社以上、40以上の自治体で活用されており、抜群の速報性、正確性、網羅性で、「危機発生時の被害状況などをどこよりも速く、正確に把握すること」が可能です。AIを活用して情報解析、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報、感染症に関する情報など、100以上の事象を、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムに確認できます。

官公庁・自治体採用数 No.1 、また交通機関、電力、ガスなどの公共インフラ企業、テレビや新聞などの報道機関をはじめ、多くの民間企業でも続々採用されています。

(リアルタイム危機管理情報サービス『Spectee Pro』)

Share this with: